「アートこそが真の報道機関」覆面アーティスト・COIN PARKING DELIVERYが語る“真のメディア”
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 日本のアート界に突如として現れた覆面アーティストが注目を集めている。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、「アートこそが真の報道機関」だと話すCOIN PARKING DELIVERY(コイン・パーキング・デリバリー)通称・コインパさんの素顔に迫った。

【映像】開催中の個展の様子

 スマートフォンでグラフィックを描き、デビューからわずか3年ながら、セサミストリートやDIESELといった数々の有名ブランドとのコラボも実現させたコインパさん。今年9月からは自身の個展も開催している。そもそもコインパさんはなぜ、覆面なのか。話を聞いた。

「今の時代って情報が多すぎて、人間が処理できるキャパを超えてる気がして、作品が顔なので、だからどこまで情報を削って自分の作品の情報に割り切るかというために、顔と名前は消しました」

 2018年にアーティストとしてデビューしたコインパさん。かつては一般企業に就職し、会社員として働いていたが「未来が想像出来ない仕事をしたい」と会社を辞める決意をしたという。

「誰かの下について、自分の時間を奪われる方が安定してないと思ってしまうタイプなので、会社辞めた瞬間に『4カ月後に個展やります』と言い張って、自力でギャラリー借りてキャンバス買って、4カ月の間に色々なこと学んで、いきなり個展をやったのがスタートです」

「アートこそが真の報道機関」覆面アーティスト・COIN PARKING DELIVERYが語る“真のメディア”
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 初めての個展開催から3年――。アーティストとしてキャリアを積み重ねているコインパさん。彼を語るうえで欠かせないのが、キャラクターの「白井さん」だ。 過去の象徴である“恐竜”と未来の象徴である“宇宙人”を組み合わせた存在という白井さんを通して、コインパさんは見た人に「”いま”を感じてほしい」と話す。

「未来と過去が合致した姿というのは、現在を生むことができて、現在というのは今の一瞬を生きてる自分の欲求とかに直結してると思うんですね。見てるあなたの今であり、見てる僕の今でありっていう概念を作る為に、今を提示するためにこの白井さんを作ったんです」

 そんな彼のいまが表現されているのが現在、渋谷で開催されている個展『DIMENSION MEDIA(ディメンションメディア)』。展示されている作品のテーマは「次元の融合」で、日本的な二次元の平面表現と西洋的な三次元の立体表現の混合により形成されている。中でも、ひと際異彩を放つ立体作品の「nextz」は、日本の空気感を重視する風潮、いわば世間体を尊重する思想を表しているという。

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「12体の小さな彫刻と1体の彫刻を使うことによって、日本の無宗教における宗教性を描いている作品になります。全部の立体が真ん中の13体目の立体を全員が眺めているんですけど、眺めている行動がまさに世間体を可視化した姿かなと思った作品です。ディメンションメディアというのは、多角的なメディアとして作ってて、日本という国は輸入文化という、海外からの情報とか物資とかを取り入れることによって、日本の文化は形成されているのではないかという作品なんですね。『三次元的なものと二次元的なものを配置することによって日本の文化が形成しますよ』という作品です」

 平面・立体とジャンルを問わず、様々なアートを製作するコインパさん。視線の先には常に、作品を見る人の存在があるという。

「客観性と大衆的認識みたいな、大衆が理解できるような感じのものにすごい惹かれてて。『他人がどう思ってるんだろう』というのを常に作品の中に結構考えたりとか、この作品を見て『どう思って貰いたいだろう』ってことを常に考えてるので、作品の統一性というのは多分そこに存在するかもしれないです」

 日本と世界、そして過去と未来。様々な要素がおり重なり作られたディメンションメディア。テレビや新聞、インターネットなど様々なメディアが普及し、誰もが自由に情報を手に入れられるようになったいま、コインパさんは「アートこそが真の報道機関」だと話す。

「いま、コンプライアンスやニュース、テレビ業界とか色んなものを混ぜ込んで直球なものを出すことに、邪悪さを感じるという人が何人かいるとは思うんですね。直接的すぎるとか、人の邪念とかが混ざってしまうニュースって本当に意味があるのかなとか、人を翻弄してしまうんじゃないかなと思って。アートってその人が考えたことに対して邪念を持つことはなく、その人の直球を知ることができるメディアなので、だからアートがその真髄をついた最後のメディアになるんじゃないかなと思っています」

 コインパさんは今後の野望について次のように話す。

「今の目標みたいなものが、遊園地を作ることなんですよ。なので、ゆくゆくは海外ももちろんしっかりやっていきたいし、それに続いてちゃんと遊園地を作るという自分の中の夢をやりたいです。色々な世界中の人たちに見てもらえるようにはしていきたいなと着実に踏めるようにしていこうと思っています」(『ABEMAヒルズ』より)

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