「僕たちは心が弱い」成田悠輔氏がベーシックインカム導入に反対の理由 ひろゆき氏が反論
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 日本維新の会が提案したベーシックインカムの計画が、国会でも議論を呼んでいる。岸田総理は「既存(制度)との関係、どう整理するかなど慎重な検討が必要」と発言し、ベーシックインカムの導入に慎重な姿勢を見せている。

【映像】「“生活保護を増やす”が最適解だ」ひろゆき氏の意見

 働かなくても生活に必要なお金として、国から支給されるベーシックインカム。過去にはフィンランドやカナダで導入実験が行われていて、日本でも導入するべきかどうか、度々議論が巻き起こっている。

 ニュース番組『ABEMA Prime』に出演したNPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典氏は「今は生活扶助費(生活保護制度における扶助)の金額が大体都市部だと8万円前後、田舎の方だと6万円前後といった形で支給される」と紹介。「7万円以上働きたい人は働くなど、さまざまな選択肢が取れるよう、本当に社会実験をしてみてもいいのではないか、そのような時期に来ているのではないかという気はしている」と語った。

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 「働かなくていい」という状態が、逆に「うつ病の原因になる」という声もあるが、これはどのように考えるべきなのだろうか。米・イェール大学助教授で経済学者の成田悠輔氏「それが僕がベーシックインカムについて持っている懸念というか、批判だ」と話す。

「僕たちは心が弱い。少しお金をもらったぐらいだと働くことを辞められない。何か働いていないと、自分のアイデンティティが揺らいでしまうとか、何か働いていないと世の中とか社会に対する責任を果たしていないみたいに、未だに僕たちは思っている。本当に重要なのは、働いたり、お金を稼いだりしなくても、特に気にせず自信を持って生きていけるような人間をどう作るかだ。それを実現するためには、ベーシックインカムというのはあまり役に立たないのではないか」

 ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「生活に困窮していて、最低賃金に近いレベルで働いている人たちは、自分にスキルがなくて、非正規雇用だといつかクビにされるかもしれないと思っている。たぶん、やりがいはそれほど感じられないまま、ずっと生活のために働き続けているだけだと思う。そのような人たちは、働いていたとしてもやはりうつ病になってしまうのでは」と懸念を示す。

「例えば、ベーシックインカムが導入されたとして『じゃあ俺、中学校でバスケを教えるわ』という人でも暮らしていけるようになる。剣道でもいいし、縄跳びでもいい。何か地域に貢献することで、試合に勝ったりして、自分がやっていることの結果が出る。子どもたちに『ありがとうございました』と言われる。どうでもいいコンビニで働いているより、よっぽど満足度が高いと思う」

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 「World Road」共同代表・青年版ダボス会議日本代表の平原依文氏は成田氏とひろゆき氏に「すごく賛成する」とした上で「ただ『どうでもいいコンビニの店員』にはすごく私は納得がいかない」と意見。「コンビニ店員をやりたくてやっている方もいるのではないか。そこは成田さんが先ほど言っていた自己肯定感にすごく繋がると思う」との考えを示した。
 
 これにひろゆき氏は「人生で一生コンビニ店員をやりたいと思っている人は1%もいない。お金がもらえて、時給の中で選んだ結果がコンビニだ。生まれてから『コンビニの店員になりたい、一生やっていたい』という人はほぼいない。そのような嘘をつくのはやめてほしい」と返答。また、自分の家の近くにあり、好きな時間だけ働けるような場合でも、ひろゆき氏は「ずっと好きな時間だけ働けるようなコンビニはない」と断言した。
 
「シフト制で『この時間だけ働きたい』『ここは休む』みたいな、働き方でずっと働けるコンビニは残念ながらない。ごく一部そういうコンビニがあるかもしれないが、少数を取り上げて『コンビニの人たちはコンビニで働きたくて、好きで働いているんだ』と押し付けるのは間違いだと思う」
 
 ひろゆき氏の意見に平原氏は「押し付けていない」と反論。「この社会に存在しているからこそ、全ての職種は評価されるべきだ。一般の会社員をやっていて、自己肯定感が全くなくて、うつになってしまう方もいる。給料が高くても、自己肯定感が低くて、働きがいを感じない人もいれば、給料が低くても、本当に自己肯定感が高い人もいる」と述べた。

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 Twitterでも「(コンビニの仕事に)やりがい持ってる人はたくさんいると思うんだよね」「コンビニは機械化でいいと思うけど何でダメ?」「おもてなしってサービスの強要も問題」などのコメントが寄せられたひろゆき氏の発言。番組では、ひろゆき氏が、平原氏に「では、コンビニで働いていて自己肯定感が高い人がどれくらいいると思うか」と追及。平原氏は「人数の問題ではない」と答えた。

 平原氏の回答に、ひろゆき氏は「どちらかというと、割合の問題ではないか。例えば、9割の人が自己肯定感を感じないような仕事であれば、その仕事は機械化した方がいい。日本の社会はきれいごとを言って気持ち良くなっている人を評価する」と見解を述べた上で「アメリカのITは一握りの天才がメチャクチャ儲けている。その結果、産業が生まれて、世界中から外貨を稼いで大儲けしている」とコメント。

 続けて、ひろゆき氏は「例えば電車ではもう切符を切る人はほぼいなくて『Suicaが超便利だよね』と。その結果、別の仕事を駅員さんができるようになって、駅でも長い行列はなくなった。結果として、今は駅員さんが切符を切る仕事は『ないほうがいいね』と分かる。でも『コンビニの店員は人がやった方がいい』ときれいごとを言う人がいて、結果として人件費をかけ続けてどうでもいい仕事をし続けている社会をみんなで維持しようとする。どうでもいい誰でもできるような仕事をやっている人も尊厳がある中で、それを潰すべきではないみたいなきれいごとを言って成長を止めている人がいある。本来は経済成長でいうと悪だが、日本の中ではそれは正しいことのように評価されている」と主張した。

 働かなくても生活に必要なお金が国からもらえるベーシックインカムの制度。豊かな生活を送るために、働きがいの観点からも考えていく必要がありそうだ。(『ABEMA Prime』より)

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