ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏が24日、年度内をめどに廃棄が決まった「アベノマスク」に言及。「無駄だったが、責任は問うべきではない」と持論を展開した。
【映像】見渡す限りダンボールの山…“アベノマスク”の保管倉庫
東京近郊の倉庫には10月末の時点で、約8000万枚の「アベノマスク」が保管されたままになっている。「アベノマスク」の廃棄に見込まれる費用について、同日午前の会見で後藤厚生労働大臣は「仮に在庫約8000万枚のすべてを廃棄した場合の費用についてだけ申し上げると、大まかな目安としては6000万円程度と承知している」と説明。厚生労働省によると、去年8月から今年3月までの保管費用は約6億円で、その後もかかり続けているとしている。
ニュース番組『ABEMA Prime』に出演したひろゆき氏は「マスクは今でも世界中で使われている。アベノマスクが有用であれば、今配ってもみんな欲しい欲しいとなると思うが、今ですら欲しがる人がいなくて余ってる状態。『政策としては失敗だった』という評価はしていいと思う」とコメント。その上で「責任を求めるべきではない」と言及する。
「あの状況で日本政府が『ガーゼマスク配ります』と言ったあと、中国がマスクの増産を決めて、世界中に配りまくった。その結果、マスク不足は解消したが、(アベノマスクがなければ)そうならなかった可能性もある。あの時点でガーゼのマスクを配る判断自体は間違いではないと思う。ただ、結果として無意味で無駄でしたとなっている。あの状況ですべて正しい判断を求めることは無理。そういう判断になっても仕方ないし、責任を問うべきではないと思っている」
番組では元内閣官房参与で経済学者の高橋洋一氏がゲストに登場。「全世帯に配ったマスクは約1億3000万枚作って、ほぼ完売だ。余ったのは“介護施設用”のマスク。アベノマスクは無駄ではなかった」と主張する高橋氏に、ひろゆき氏は「介護施設用もアベノマスクと呼ばれているので、言葉を換えてごまかすのはやめてほしい」と一刀両断。「倉庫で保管されているガーゼマスクは全部ニュースで『アベノマスク』と呼ばれていて、それに年間約6億円を払っている。無駄でなかったのであれば、ずっと6億円を払い続けて倉庫に保管しておくべきとなってしまう」と指摘した。
これに高橋氏は「あの状況で介護施設の需給がよく分からなかった。だが『介護施設用で足らなくなっていけない』と余分に作ったという話だ。需給予測が間違ったのはその通りだ。会計検査院の報告書でも『緊急事態だったからやむを得なかった』という話になっている」と意見。
ここで、番組司会のテレビ朝日の平石直之アナウンサーは「逆にいうと需給予測でちゃんと足りたということ。これは大事なことだ」とフォロー。「当時、無駄だったのかと、今無駄だと感じていることは別だ。ここは切り分けないといけない」とした上で「あの危機でもし足りなかったら、一部の国民に渡らなかったら、それはまた大問題だった。だから、あのときを乗り切る意味では、多く作りすぎたが、それも無駄だったのかどうかは別の話だ」と指摘した。
また、余剰分となったアベノマスクについて、平石アナは「あのときは結局布マスクになってしまって、不織布マスクは作れなかった。材料も足りないし、工場もない。中国からも入って来なかったら、洗って使える布マスクで乗り切ったかもしれない。そういう評価をしたときに本当に無駄だったのかどうか。ただ、アベノマスクを(一般家庭用か医療用か)分けるのは難しい」とした。(『ABEMA Prime』より)
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