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 KENTAがノアのリングに帰ってきた! プロレスリング・ノアの2021年最後の大会となった12・27後楽園ホール『杉浦軍興行 犬ども全員集合!3』。メインイベントで杉浦軍のボスである杉浦貴が、船木誠勝との緊張感ある初対決を強烈な張り手からのオリンピック予選スラムで制し、マイクを持って締めの挨拶を行おうとしたその時、ホールにテーマ曲が鳴り響き、1・1日本武道館と1・8新日本プロレスの横浜アリーナでトリオを結成する、かつての盟友・KENTAが現れた。

 1・1日本武道館で、ノアに7年ぶりの里帰り参戦をはたすより一足早く方舟のリングに足を踏み入れたKENTAは、「お久しぶりなのか、初めましてなのか。いずれにしてもプロレスリング・ノアのファンの皆さん、KENTAです。おい、タカシ。この忙しい時期に、おまえのためにわざわざ来てやったよ」と、入門が4カ月後輩の杉浦に向かって先輩風を吹かせながら挨拶。

 これに杉浦も必要以上に下手に出ながら、「ありがとうございます。みんな、小林さんです!」と紹介すると、すぐさまKENTAが「その呼び方やめろ!」とツッコミ。その後も「小林先輩、いまどこでプロレスやってるんですか? たしかアメリカで……」(杉浦)、「答えづらい質問やめろ!」(KENTA)など、この二人ならではのやりとりが続き、ファンをよろこばせた。

 そしてKENTAは「結局、忙しい中わざわざ後楽園に来て、何を伝えたかったっていうと……、1月1日と1月8日は俺も杉浦軍だってこと!」と、2大会限定での杉浦軍入りを宣言。その後、バックステージでも「新日本をぶっ潰してやりましょう、3人で!」と満面の笑みをたたえノリノリで語る杉浦に対し、「だから、コメントしづらいこと言うなよ!」と呆れ顔のKENTAだったが、最後は桜庭和志を加えた3人でガッチリ握手。1・1日本武道館と1・8横浜アリーナへの爆笑出式となった。

 このほかにも1・1日本武道館大会に向けたさまざまな動きがあった。第4試合には元日のメインイベントであるGHCヘビー級選手権、中嶋勝彦vs潮崎豪とGHCナショナル選手権、拳王vs清宮海斗のW前哨戦としてノア正規軍と金剛が10人タッグマッチで激突。

 のっけからケンカ腰でやりあう拳王と清宮に対し、中嶋と潮崎は独特の緊張感を漂わせながら真っ向勝負。中嶋のミドルキックと潮崎の逆水平チョップの幾度となく繰り広げられ、そのたびににぶい生音が後楽園に響き渡る。そして終盤、ゴーフラッシャーを決めることに成功した潮崎が一気に畳みかけようとしたところ、中嶋の強烈なハイキックが顔面にヒット。崩れ落ちた潮崎を、中嶋は強引に立ち上がらせると、そのまま必殺のヴァーティカルスパイクをに決め完璧な3カウントを奪ってみせた。

 試合後、大の字になり動けない潮崎を見下しながら踏みつけた中嶋は、マイクを握ると「おい、潮崎。次は武道館だな。よく聞け。おまえが負けたら、二度と『アイ・アム・ノア』なんて言うな。俺がノアだ!」と、“負けたら即『アイ・アム・ノア』封印”を要求。ベルトを掲げ、自信満々でリングを降りた。

中嶋勝彦、大の字の潮崎豪を踏みつけ…1・1日本武道館へ向け仰天要求! 「おまえが負けたら、二度と『アイ・アム・ノア』なんて言うな」
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 一方、リング下に降りてからもしばらく動けないほどのダメージを負った潮崎。1・1日本武道館での王座奪回に赤信号が灯ったが、それでも最後は若手の肩は借りずに、フラフラになりながらも自分の足で控え室に戻り、捲土重来を期した。

 そしてセミファイナルでは、田中将斗と藤田和之の初対決が実現。序盤、藤田がレスリングで圧倒すれば、田中も藤田の痛めている右脚への一点集中攻撃で反撃。後半はど迫力の肉弾戦となり、エルボー合戦と頭突き合戦で両者一歩も引かずに30分時間切れ引き分け。試合後、田中は握手を求めるが、藤田はこれを拒否。闘いはこれからも続くことを示唆した。

 バックステージに戻ると田中は「野獣と言われる男とあれだけの試合をして、まだここに立っていられる。これが元日、(ZERO1後楽園大会で)杉浦を倒し、(ノアの日本武道館で)タッグのベルトを狙う男の闘い方や」「1月1日、2本のベルトを必ず巻きたいと思います」と、元日のZERO1後楽園大会での杉浦との世界ヘビー級王座戦、ノアの日本武道館で望月成晃と組んでの武藤敬司&丸藤正道とのGHCタッグ王座戦というダブルヘッダーでの2大王座奪取へ自信を見せた。

 いよいよ元日の日本武道館大会まで待ったなし。2022年のスタートを飾るノアの大勝負に向けて機運は高まった。

文/堀江ガンツ

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