拳王、“vs新日本”で宣戦布告「天狗になってるんじゃね!」 ファンに呼びかけも「序列を覆す歴史の証人に」
【視聴する】1・8『WRESTLE KINGDOM「新日本プロレス vs プロレスリング ・ノア」』
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 プロレスリング・ノアが勝負をかけた元日の日本武道館大会『ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR” 2022』。そのメインイベントとセミファイナル、2大タイトルマッチで“現在のノア”を体現する激闘が展開された。

 まず、セミファイナルは王者・拳王が挑戦者・清宮海斗を迎え撃ったGHCナショナル王座2度目の防衛戦。このカードは、2019年の11・2両国国技館ではメインのGHCヘビー級タイトル戦として組まれた、新世代のノアを象徴するライバル対決だ。

 試合は前半、場外ブレーンバスターから清宮の腰に狙いを定めた拳王が得意の打撃も織り交ぜ主導権を握ったが、清宮もカウンターのランニングネックブリーカードロップから反撃開始。フライングフォアアームからドロップキックで拳王を場外に叩き落とすと、コーナーを対角線に走りノータッチトペコンヒーロを爆発。さらにリングに戻って、滞空時間の長いミサイルキックからストレッチプラム式フェースロックで追い込んでいく。

 これをロープに逃れた拳王は、再び打撃でペースを握り返すと、固い花道での投げっぱなしジャーマン。そのまま清宮を花道に寝かせ、コーナー最上段からPFS(ダイビングフットスタンプ )で踏みつけた。

 それでも立ち上がった清宮はジャンプしての頭突きや切り札タイガースープレックスで反撃を試みるが、拳王はカウント2で返すとすぐさま高速ドラゴンスープレックスで応戦。最後は粘る清宮に左右の張り手を浴びせたあと渾身の右ハイキックを炸裂させると、清宮は前のめりにダウン。フォールにいこうとしたところ、西永レフェリーが清宮の失神を確認し、レフェリーストップを下す衝撃の幕切れ。拳王が見事GHCナショナル王座2度目の防衛に成功した。

拳王、“vs新日本”で宣戦布告「天狗になってるんじゃね!」 ファンに呼びかけも「序列を覆す歴史の証人に」
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 そしてメインイベントは、王者・中嶋勝彦vs挑戦者・潮崎豪のGHCヘビー級選手権試合。昨年10月、GHCヘビー級王座2度目の戴冠以来「俺がノアだ」と繰り返し宣言する中嶋と、“I am NOAH”を標榜する潮崎のベルトとノアの顔を懸けた一戦は、両者死力を尽くす闘いとなった。

 潮崎はノア創設者である三沢光晴さんを思わせる緑と銀の新コスチュームで登場。ゴングが鳴ると1分間以上の睨み合いを展開し、中嶋のフロントキックを合図に戦闘開始。序盤から中嶋のミドルキック、潮崎の逆水平チョップという、業界ナンバーワンの使い手同士が強烈な打撃戦を繰り広げた。

 試合が動いたのは中盤、中嶋が固い花道の上でデスバレーボムを炸裂させ、さらに花道から場外へヴァーティカルスパイクにいこうとしたところ、逆に潮崎が断崖式投げっぱなしジャーマンで中嶋を場外に叩き落とした。

 この危険な大技から両者はさらにギアを上げ、ミドルキック、逆水平チョップの打ち合いから、潮崎がゴー・フラッシャーを決めれば、中嶋もヴァーティカルスパイクを決める。そして潮崎は、中嶋の雪崩式フランケンシュタイナーをこらえてキャッチすると、そのまま雪崩式リバースブレーンバスターでマットに叩きつけ、ここから勝負に出る。豪腕ラリアットから、さらにショートレンジのラリアット。そして拳を握ると、師匠・小橋建太譲りのムーンサルトプレスを発射。

 しかし、これは中嶋がかわし自爆させると、逆に顔面蹴りからヴァーティカルスパイク。これは完璧に決まったが、中嶋は潮崎の息の根を止めるためにフォールにいかず、顔を突きつけて「潮崎!」と叫んでから、ノーザンライトボムを炸裂させ、完璧な3カウントを奪取。最後は、ノアの歴史を継ぐ小橋建太譲りの技で勝負をかけた潮崎を、中嶋が自身のルーツである佐々木健介&北斗晶の切り札で打ち破った。

 試合後、中嶋はマイクを握ると「なぜ、また俺の手元にこのベルトが戻ってきたかわかるか? 中嶋勝彦が今年もノアを盛り上げるためだ。もっともっと上のステージへ持っていくぞ!」と宣言。

 続いてセミでGHCナショナル王座を防衛した金剛の盟友・拳王もマイクを握り、1・8横浜アリーナで対抗戦を行う新日本プロレスへの口撃を開始。「新日本プロレスのチャンピオンが『新日本プロレスにメリットがない』? G1覇者が『オリンピック選手と中学生が対決するみたいだ』? てめえらが困ってるから俺たちの力を借りようとしてるんだろ!」と、鷹木信悟、オカダ・カズチカの発言に猛反論。さらに「(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが)日本で一番人気があるユニット、それは認めよう。そのトップが『お客様をおもてなしする』? なめてんじゃねーぞ!」と、内藤哲也にも牙を剥いた。

 そして「何年も何十年も日本プロレス界のトップにいるから、テメーらの考えがおかしくなってるんじゃねえか? いつまでも天狗になってるんじゃねえぞ!  いつまでも新日本プロレスが日本のプロレスのトップ、そんな序列でテメーらは日本のプロレスが見たいか? 見たくねえだろ!」と訴えると、日本武道館の観客が拍手で後押し。

 さらに火がついた拳王は「いいか、テメーらにこの序列を覆す、歴史の証人になってほしい。俺たちはやるぞ。俺たちプロレスリング・ノアがやるぞ。何が新日本がトップだ。おもしろくねえだろ?  2022年1月1日、日本のプロレス界の序列を変えるスタートだ! 令和プロレス革命のスタートだ!」と絶叫。そして最後は中嶋が「俺たちがノアだ!」と高らかと宣言し、プロレス界初の元日の日本武道館大会を締めくくった。

 バックステージでは、中嶋もvs新日本プロレスについて言及。「拳王も言ったとおり、1・8横浜アリーナ、いろいろ胸糞悪いけど、俺たちが行ってやるからメリットあるんだろ? 実際どうだ、ドーム埋まってんのか。1・4、1・5ドーム 、(チケットが)余ってるらしいな。なんで横浜アリーナだけ完売なんだよ。俺たちノアが行ってやるからだろ?  いつまでも調子に乗ってんじゃねえぞ!」と挑発した上で、「鷹木信悟、お前には別に興味はない。用事もない。だけどな、同じメンバーにいる内藤哲也。あいつには勝ったことがねえんだ。鷹木信悟、お前よりも俺は違うものに興味がある」と、現IWGP世界ヘビー級王者の鷹木を無視し、内藤哲也に宣戦布告した。

 決戦の舞台は1・8横浜アリーナ。約5年前に交流していた頃とはまったく違う、今のノアの力を見せつけるべく、新日本プロレスに乗り込んでいく。

文/堀江ガンツ

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