1月1日から行われている世界テニス国別対抗戦ATPカップの2日目に優勝候補のロシアが登場。世界ランキング2位のメドベージェフのプレーに注目が集まる中、苦手とするダブルスでメドベージェフ放った時速200キロ近いファーストサーブが味方を直撃。場内が騒然とする中、セカンドサーブも頭上をかすめるなど、あわやの場面にアリーナのどよめきが収まらない一幕があった。
メドベージェフは昨年の全米オープンで、絶対王者ジョコビッチを破ってグランドスラムで初優勝。ここ数年にわたって勢いのある20代前半~中盤の若手選手「ネクストジェネレーション」の中で初めてグランドスラム優勝を勝ち取った強豪。世代交代の始まりを印象付けただけでなく、今年は世界ランキング1位を見据えるなど新世代の旗手だ。
そんなメドベージェフだが、ダブルスは苦手にしている。国別対抗戦などの機会ではダブルスを戦うこともあるが、ツアーの通算勝率は5割を切っており、お世辞にもダブルス向きのプレースタイルとは言い難い。
この試合でも時速200km近いファーストサーブを味方のサフィウリンの左肩に直接当ててしまう。場内はどよめきに包まれたが、続くセカンドサーブでもサフィウリンの頭上すれすれをかすめてしまいダブルフォルト。場内のどよめきはしばらく収まらなかった。
アリーナを騒然とさせた珍事に試合を中継していたABEMAの実況が「心配されていたことが起きてしまった」とコメントすると、解説を務めた佐藤哲哉氏も「めちゃくちゃ痛い」とサフィウリンに同情。その後、繰り返されるスロー映像を見て、視聴者からも同情の声が多数寄せられた。
しかし、次世代の王者候補はここからが違った。次のポイントでは難なくサービスエースを取るあたりがメドベージェフらしさ。試合もロシアペアが勝利を収め、実力を見せつけた。
ロシアは昨年のATPカップ、デビスカップの団体戦で2大会ともに優勝を果たしている。今大会も開幕前は優勝候補筆頭であったが、過去2大会でメドベージェフと共に優勝に大きく貢献してきたルブレフとカラツェフが新型コロナウイルス陽性となり、今大会を欠場。3人で臨むこととなったロシアはフランスに辛勝したものの、連覇へ向けては今後も厳しい道のりが待っている。シングルスはもちろん、苦手とするダブルスでもいかにメドベージェフが躍動するかがポイントになりそうだ。