新日本プロレスvsプロレスリング・ノアの対抗戦が行なわれる1月8日の横浜アリーナ大会は、あっという間にチケットが完売する大反響となった。ポイントは交流戦か、それとも対抗戦か。両陣営がプライドを感じさせるコメントを残す中で、いつものように独特な表現で新日本vsノアについて語ったのが内藤哲也だ。その“開戦”のタイミングについて「唐突たなと思いましたね」と率直に語る内藤。
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「やりたい選手がいたら、バックステージで(自分から)名前を挙げてるはずなので。どちらの団体もそういうことがなかったのに決まった。印象としては唐突だなと。集客に困った新日本プロレスがプロレスリング・ノアに助けを求めた。そのことで決まった対抗戦だと思ってますよ」
他の選手のように、はっきりとした形で対抗意識を打ち出すこともない。
「他の選手は“ノアなんか”とか“なんでアイツらとやんなきゃいけないんだ”みたいなことを言ってますけど、そもそもこの大会は新日本プロレスの大会ですからね。やりたくないなら会場に来なければいいので。逆にプロレスリング・ノアの選手に来ていただいてると。ある意味、お客様ですよ。充分におもてなしした上で、我々の魅力を存分に味わい、そして悔しい思いをしてプロレスリング・ノアのリングに帰っていただきたい」
新日本プロレスのレスラーであること、そのプライドを内藤流に表現したのである。かつてノアのリングに上がったこともあるが、それは5年以上前のことだ。だいぶ雰囲気が変わったと感じているし、それは内藤自身も同じ。
「プロレスリング・ノアを普段ご覧になってるお客様は、今のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也を見てないはずなので。今の内藤哲也、今のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンをプロレスリング・ノアのお客様にお見せしたいと思います」
1.8横アリでの内藤のカードは、鷹木信悟&内藤&SANADA&高橋ヒロム&BUSHIvs中嶋勝彦&拳王&征矢学&タダスケ&亜烈破の10人タッグ戦。つまりL・I・Jと金剛のユニット対決だ。
ノアの有力ユニットである金剛のことは「もちろん知ってます」と内藤。金剛の印象についても興味深いコメントをしている。
「似たようなユニットができたなと。ユニットのまとまりという部分でだいぶ似てるなぁと。拳王選手も口に出して主張していくあたり、かつての自分に似ているなぁと。対抗戦やるなら金剛になるのかなとは思ってましたし俺的には嬉しいカードでしたね」
また現在のGHCヘビー級王者・中嶋についてはこう語った。
「中嶋選手は一度だけG1クライマックスでシングルマッチで対戦したこともあります。あの時の試合、俺が勝ちましたけど凄い楽しかった。俺の中でも印象に残っている試合なので。だからこそあの時とは違う中嶋勝彦を感じたいし、あの時とは違う内藤哲也を中嶋勝彦選手に味わってほしい。金剛のリーダーは拳王選手なんでしょうけど、俺の今の興味は中嶋勝彦選手かなという感じです」
新日本プロレスの人気が翳りを見せていた時代、業界の“盟主”だったのはノア。その時代のことを、内藤もよく覚えている。
「ファン時代、新日本よりプロレスリング・ノアのほうが上だなと感じてましたね。デビューした頃もそうですかね。ただ、ある時からもう逆転したなと」
今は新日本が業界トップ。しかしノアも再び勢いづいている。
「今も新日本プロレスのほうが上だと思ってますけど、プロレスリング・ノアが一時よりもどんどん上がってきてるなっている印象はあります」
単に敵視するのではなく、冷静に状況を見ているのだ。だからこそやりがいもあるし、勝たなくてはいけないということだろう。内藤は生粋の新日本ファンだった、少年時代の自分を基準にしているという。
「仮に内藤少年がこの対抗戦を見たら、もうなんでもいいからとにかく新日本勝ってくれよと。1分で終わってもいいから新日本勝ってくれと思いながら見てたと思うんですよ、おそらく。その、かつての内藤少年の目線を俺は凄く大事にしてるので。まぁ、いい試合になるかならないかは正直わかんないですけど、勝ちにはこだわっていきたいと思ってます。正直、他の試合もどうでもいいっすよ。我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの試合に関しては、勝利にこだわって試合をしたいと思います」
言い回しは他の選手とは違う。ノアに関して認めるところもある。だがそれでも、対抗戦で新日本プロレスが負けるわけにはいかない。その意地とプライドがあるからこそ、内藤はやはり新日本の“顔”なのだ。