溢れる愛 木村一基九段、弟子の勝利に「よく頑張った」と顔が緩みっぱなし「おじおじ嬉しそう」「こんな言われたら泣くわw」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 自分が勝つよりうれしそうな顔だった。「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Aリーグ2位決定戦、チーム深浦とチーム木村の対戦が1月8日に放送された。試合はフルセットの末にスコア2-3で敗れ予選敗退となったが、第3局で高野智史六段(28)が勝利したことに、師匠の木村一基九段(48)は「いやー、よくやったじゃないか。素晴らしかったと思います」と絶賛。うれしさが抑えきれない師匠の様子に、ファンも「おじおじ嬉しそう」「こんな言われたら泣くわw」と沸き上がった。

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 師弟で戦うこの大会。師匠としては、弟子の成長を見守り、そのきっかけを与えたいという気持ちも強かったことだろう。高野六段は初戦でチーム深浦とぶつかった際、若手ホープの佐々木大地五段(26)に2連敗。さらにこの試合の第2局でも敗れ、対佐々木五段戦で悔しい3連敗を喫していた。第3局のオーダーを決める際、高野六段は「深浦先生とも指してみたい」とこぼし、あえて連投することで対戦相手を変える狙いを見せていたが、チーム深浦も佐々木五段を連投させたことで、まさかの4局目が実現。カード決定後、高野六段は「ここまで当たるとは正直思っていなかったんですが、やっぱり一発ぐらい入れておかないと帰れないので、死に物狂いで行こうと思います」と、気持ちを込めていた。

 先手番から得意の角換わり早繰り銀を用いた高野六段だったが、続けて敗れていたことで悩みも生じていたのか、超早指しの中でも手が進まず、見守る木村九段も「指して!止まってるよ。おい…」と心配そうにモニタを見続けていた。序盤から苦しい展開が続いたものの、師匠譲りの粘りが持ち味の高野六段は、逆転を狙い続けていると、中盤、さらには終盤にチャンス到来。木村九段が「詰めろじゃないぜ、それ」と佐々木五段の手が緩んだことを指摘したように、高野六段も好機を逃さず猛反撃。形勢をひっくり返すと、その後も緩まず勝ち切った。

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 対局後、高野六段は「もう本当にとにかく苦しい時間が長かったんですけど、本当に勝ててよかったとしか言えないですね。内容はともかくホッとしています」と安堵の表情。勝利を報告すべく控室に戻ると、ここで満面の笑みの木村九段が待っていた。「いやー、よくやったじゃないか。局面もダメだし、時間もないし、観念してたよ。ずっと早く指せ、早く指せってつぶやいてたんだ。いやいや、よく耐えて、よく頑張ったね。素晴らしかったと思います。結果が出たからね」。木村九段自身、この大会では思うような結果が出ず、対局後の表情も優れないことが多かったが、つらい対局が多かった弟子の逆転勝利に、満足そうな笑顔が長く続いていた。

 時間にして1分に満たないやりとりではあったが、師匠の弟子への思いが伝わるシーンにファンからは「優しい嬉しい楽しいなあ」「ニコニコで見ていて嬉しい」「おじさん優しい」といった感想が寄せられていた。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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