オカダ・カズチカに圧倒された清宮海斗は人目をはばからずに涙を流した。オカダからは試合後、清宮に対して叱咤激励ともとれる厳しくもアツい言葉も投げかけられた。そんな試合終了直後のことだ。武藤・棚橋2人のレジェンドが、花道に並び、両者の姿を見守るシーンがあり、「良いツーショット」「いい画だ」などファンの注目を集めている。
【視聴する】1・8『WRESTLE KINGDOM「新日本プロレス vs プロレスリング ・ノア」』
1月8日に開催された「WRESTLE KINGDOM 16 in 横浜アリーナ」。新日本プロレスとプロレスリング・ノアの対抗戦で、棚橋弘至、オカダ・カズチカ(新日本)と清宮海斗、武藤敬司(ノア)が対戦。オカダ、棚橋の前に惨敗を喫した清宮だが、プロレスファンからは「プロレス界の未来」と期待を込めた声も相次いだ。
2020年、清宮の「レインメーカーへの挑戦表明」から2年。解説席で蝶野正洋と小橋建太、かつての新日本とノアの巨頭2人が試合を見守るなか、次世代のプロレス界のエースの真価が問われたタッグ戦だった。試合を中継したABEMAの視聴者からも「清宮が学ぶための試合」「この大会の主人公」といった言葉が飛び交った。
試合は序盤からオカダと棚橋が、清宮のワザを受ける展開に。力の差を感じさせる瞬間も多く、清宮のエルボーに微動だにしないオカダを見るなり、ファンからは厳しい声が聞かれた。一方では「オカダと清宮はかつての鶴田と三沢に重なる」など期待の声も。
その後、オカダがギアを上げ渾身のエルボー連打や場外でのDDTを見せれば、棚橋はテキサスクローバーホールド、サマーソルトドロップと徐々に新日本の2大エースがペースを握っていく。しかし、コーナーの武藤は、時折見せ場を作るも
それでも必死で王者たちに対峙する清宮の姿はファンの心を掴んだ。武藤の「清宮、行けよ!」の激に答えるようにエルボー連打、がむしゃらに打ち込むジャンピング・ニーに「新日ファンでも清宮行けーと言いたくなる」という声も。解説席の蝶野が「3人はやりながら驚異に感じていると思う」と話せば、小橋も「試合の中で成長しています」と期待の言葉を並べた。
善戦した清宮だったが、オカダの高角度のドロップキック、開脚式パイルドライバー、レインメーカーのフルコースを受けて力尽きた。象徴的だったのは試合終了直後、リングに戻らず、花道に腰を下ろして並び、両者の姿を何とも言えない表情で見つめていた武藤と棚橋の姿だ。時代を代表する絶対王者2人がプロレスの未来を見守るようなシーンに「良いツーショット」「いい画だ」といったファンのコメントが並ぶ。
敗れて号泣する清宮に、オカダは「泣いてるんじゃねえ、さっさと帰れ」と厳しい現実を突きつけるも、ファンからは「清宮も良く攻めた、オカダも良く受けた」「清宮はプロレス界の未来だ」「これはオカダなりの優しさ」「時代を作るのは大変だし、重い。清宮頑張れ!」と惜しみない激励のコメントが続いた。オカダ、棚橋と戦い、武藤、蝶野、小橋が見つめるなかで展開された試合は、団体の枠を超えた“24分34秒の熱血授業”だった。