高額の“投げ銭”も飛び交うVTuberブームに柴田阿弥「アイドルを突き詰めた存在だと思う。心理的なストレスも軽減されると思う」
投げ銭と推し文化に親和性?
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 韓国「PLAYBOAD」が発表したYouTubeの「スパチャ」ランキング(昨年分)で、上位10人中、9人が日本人VTuberだったことが話題となっている。生身の人間ではないバーチャル・キャラクター、しかも日本人が、なぜこれほどまでに“投げ銭”を獲得できるのだろうか。

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 声優であることを活かし、アテレコをしながらのゲーム実況やASMRをしているというVTuberの白鳥怜奈さん(ぼいそーれ所属)は、「“記念配信”などのときにお祝いとして投げていただくことが多いが、“おいしいご飯食べてほしい”みたいに、日常の何気ないやり取りの中でも発生することはよくある」と話す。

「相場は日によって変わるが、5000円ぐらいから、“サラリーマンの方の月給くらいの額"を頂くこともある。性別を問わず、いつも20人前後の方から頂いているが、“初めまして“の方からいただく高額スーパーチャットもある」。

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 ライブ配信サポートやデータ分析を行う専門家集団「配信技研」の配信さんは「英語圏、スペイン語圏ではTwitch社のシェアが大きくなっているが、日本ではYouTubeライブのユーザーが多いという背景がある。そして配信者の中でも、日本的なアイドル文化を持った方に人気が集まるところがある」と説明する。

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 「また、投げ銭のように一回のギフトのように投げ切るものと、メンバーシップ型、サブスクライブ型とよばれる、月額課金のような方法の2つが主流だ。ただ、これほどまでに支援する理由ははっきりとはわからない。おそらく道徳的に正しいからとか、これをやっていると誰かから褒められるからといったわけではなく、やはり好きだから、応援できて嬉しいから、ということが最も重要だと思う」。

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 ゲーム配信がメインだという兎月ティアさんは、ゲーム内で何かを達成した時などの投げ銭は増えるという。「イベントがうまくいった、落ちにくいアイテムが落ちたとか、そういうタイミングが多い気がする。でも、“配信頑張っていて偉いね”とか“アイス食べてね”という、“ねぎらい”のスパチャも多い。“今日も生きていてくれてありがとう”、“存在してくれてありがとう”みたいな愛情だと思うので、それに対して“ありがとう“と伝えるだけ」。

 その上で今回のランキングについては「事務所に所属しているVTuberが多く、“そこに所属している子は全員を応援しよう”という“箱推し”の文化もあると思う。だからほとんどの人が事務所に入りたいと思っているのではないか。VTuber人気が高まれば高まるほど、入りにくくなると思うし、私も入りたくても入れない」。

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 慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏は「かわいい女の子のキャラだが、言葉遣いはおじさん、というVTuberもいるなど、それぞれが個性を大事にしている。喋る内容も含め、キャラを演じることを維持し続けるのは大変なことだが、それが新しい形態だと思う。リアルな人物の場合、自分の期待にそぐわないこともあるだろうし、裏切られることもある。しかしバーチャル・キャラクターにはそれがない。いってみれば、現実逃避なのかもしれない」と指摘。

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 「中国にはYouTubeがない代わりに、似たようなサービスが山程あり、日本以上に投げ銭の文化があって、金額的にもものすごいことになっている。少子化、収入はそんなにない、というところがありながらも、物質的にも満たされてきたので、精神的な拠り所が欲しい、でもリアルなアイドルには結婚などもある。そういうところもあるのではないか」。

 VTuberの普及の一方、一度に数百万円の投げ銭が飛び交うこともあるという中国では、国家ラジオテレビ総局が規制に乗り出す事態になっている。日本でも女子中学生が親のクレジットカードを用いて数カ月間に100万円以上を使っていたというケースを国民生活センターが報告している。

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 元SKE48のメンバーで、フリーアナウンサーの柴田阿弥は「アイドル=偶像で、それを突き詰めたのがVTuberさんだと思う。実際に握手会をやっていた身としては、出ていきたいぞ、という人もいれば、声だけがいいなという人もいるはずだ。生身ではない分、トラブルに巻き込まれる可能性は少ないと思うし、メタバースになれば対面することもあると思うが、基本的には会わなくていいので、心理的なストレスも軽減されると思う。ただ、知人のスタッフのお子さんが、やはりお金のトラブルになっていた。未成年者による契約ではあったが、やはり一部は負担しないといけなくなったそうだ。規制とまではいかなくても、何らかの仕組みを考えた方がいいと思う」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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