ひろゆき氏「泣き寝入りする人のせい」大人のいじめが増える理由に持論
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 厚生労働省の調査によると、全国の学校における認知されたいじめの数は50万件以上。内訳をみると、年齢が上がるにつれて、いじめの件数は減少していることがわかる。

 「いじめは子どもたちの間で行われるもの」とイメージする人も多いかもしれないが、今社会問題になっているのが「大人のいじめ」だ。厚生労働省の「個別労働紛争解決制度の施行状況」を見ると、労働相談窓口に寄せられる内容で最も多いのが「いじめ・嫌がらせ」で、件数はこの10年でおよそ2倍に跳ね上がっている。子どもの見本となるべき大人たちが、なぜいじめを犯してしまうのか。

【映像】「飲み会に誘わなかった」パワハラに当てはまる事例(31分ごろ〜)

 高校教師の遠藤さん(仮名)も、職場でのいじめに悩まされてきた1人だ。「私立高校で勤務していた3年間、日常的にいじめにあっていた。なんで大人になって社会人にもなってこんな思いをしなくちゃいけないのか」と話す遠藤さん。当時について「業務がうまくいかなかったとき、10分間立たされた挙句、怒鳴られたり。新しく教員を募集する際に『今度は使えるやつを雇うから』と私がいる前で言ったり、飲み会でも一気(飲み)を強要させられたりした」と振り返る。そもそもの始まりは、ある先輩教師に労働環境の不満を訴えたことだったという。

「土日祝日の部活動を手当てが出ないので拒否したところ、同じ部活動を担当している顧問から”無償労働しろ”と強要させられた。私立学校は労働基準法に準じて残業代が支払われるはずだが、正当に支払われない状況が続いたので批判したことが嫌われた原因だ」

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 その後、他の教師にも伝わりいじめはエスカレートしていったという。心療内科からうつ状態と診断され、仕事が手につかなくなった遠藤さんは、学校から契約解除を言い渡され、現在は休職中だという。

 大人のいじめ問題に、ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「心のやさしい人だと理解できないと思うが、(泣き寝入りする)いじめの被害者のせいでいじめが増えているし、加害者も助長していると思う」とコメント。「職場のいじめがあったら、ちゃんと証拠を録音したり、記録を残したりして、労働基準監督署に持っていったり、訴訟を起こしたりすると、ちゃんとそこに労基が入ったり損害賠償が取れたりする。その会社、組織自体が『そんなこと(いじめは)やっちゃダメだよね、次回から気をつけようね』となる。ところが泣き寝入りする人のせいで『サービス残業させて、何の損失もなかった。いじめもした。会社は何も損をしなかったから、じゃあやっても大丈夫じゃん』となって、助長させている。なので、大人なら僕はちゃんと対応すべきだと思う」と意見を述べた。

 遠藤さんは「仲のいい教員も若手を中心にいるが、1年契約の契約社員の方が多い。上に逆らうとクビになってしまうから、同情してくれるが、助けてくれることはなかった」という。昨年、職場にはパワハラ相談窓口のようなものができたが、遠藤さんはこの相談窓口に相談せず、労働組合や学校外の友人などに相談。結果、NPO法人「POSSE」にたどり着いた。

 NPO法人「POSSE」の理事で、『大人のいじめ』(出版:講談社現代新書)の著者でもある坂倉昇平氏は「遠藤さんは私たちのところに相談に来られて、今、学校に対して問題にしている最中だ。実は遠藤さんはかなり長時間労働をしていた。毎月100時間残業しているのに、残業代も全然払われていない。部活もあるので土日も祝日も出勤させられることがあった。その上でいじめやパワハラもあって精神疾患になってしまった」と経緯を説明。

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 最初、遠藤さんは弁護士にも職場のいじめについて相談したが、うまくいかなかったという。ひろゆき氏が「弁護士さんに相談してうまくいかなかったというのは、弁護士の仕事としておかしくないか。懲戒請求できるぐらいの事由だと思う」と指摘すると、坂倉氏は「話がずれてしまうが、証拠がなかなか集めづらかったりして、弁護士の方によってはやりがいがない(案件)。面倒くさい事件だったのではないかと思う」と回答。

 ひろゆき氏が「面倒くさいからやりたくない、忙しいからやりたくないは全然あると思う。そうしたら違う弁護士に行けばいいだけだ。なんで諦めるのか」と矢継ぎ早に質問すると、坂倉氏は「諦めてはいない」と否定。「遠藤さんは今、私たちのところで戦っている最中だ。むしろ、ひろゆきさんがおっしゃっているような権利を行使している方だと思う」と述べる。
「私が今日言いたいのは、そういった権利を行使することを邪魔しているのがいじめだということ。つまり、職場の中で長時間労働などの違法行為があって、それをちゃんと問題にしたいがボロボロになってしまった人たちがいる。そういうときに上司あるいは同僚に相談すると『そんなことに疑問を持ってるんじゃないよ。それは当然じゃないか。職場は会社の利益が最優先で、お前たち、私たちはひたすら従属して働くことが最優先なんだ』と言う。その中で『長時間労働をしていると本当に子どものための教育をしっかり考えられなくて、教育の質が下がってしまう。おかしいんじゃないか、労働基準法違反だ』と疑問を呈する人がいると、『お前は何を考えているんだ』といじめやパワハラの標的になってしまう。そういう相談が多い」

 坂倉氏の説明にひろゆき氏は「そもそも同僚や上司に相談するのが間違いだ。違法行為をやっている集団の中で揉めてもしょうがない」とコメント。坂倉氏は「違う。そういうふうに職場の労働者や上司の意識が変わってしまっている、染まりきってしまっていることが問題だと言いたい」と述べる。

 泣き寝入りしがちな職場のいじめや違法残業。遠藤さんは「今はうつ状態と診断されて休職しているので、ちょっとゆっくり休んだ後で、教員以外の仕事に就こうかと思っている」と話した。(『ABEMA Prime』より)

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