102・1キロ契約で行われた重量級ライト・ヘビーのキック戦で飛び出した1ラウンド31秒のダブルノックダウン。一瞬にして両者の巨体が崩れ落ちる劇的結末に「こんなの初めて見た」「ダブルKO」「まるで衝撃映像」など視聴者は大興奮。敗者は白目をむいて失神…勝者は脳が揺れても立ち上がるという対照的な結果に二度驚ろかされた。
1月14日に開催されたONE Championship「ONE: HEAVY HITTERS」。ベイブラット・イスアエフ(ロシア)とヤニス・ストフォリディス(ギリシャ)の“当たると倒れる”重量級の一戦は、開始31秒、左フックの同士討ちで両者がダウン。脳を揺らされてグラグラになりながらも、ダウンから立ちあがったストフォリディスが勝利を収めた。
イスアエフはONEで4戦目、昨年、ミハイロ・ケイコビッチ戦で披露した右フックの一撃KO葬で話題になった選手。対戦相手のストフォリディスは”ヘラクレス”の異名どおり筋骨隆々の選手で、ヨーロッパのボクシング王者の実績を引っ提げてこの日がONEデビュー戦となる。
ハードヒッターを自認する両者。リング中央でのフェイスオフではストフォリディスが自慢の胸筋をピクピク動かし臨戦体勢だ。
ゴングとともにイスアエフが軽く触れて様子を見ると、ストフォリディスは鋭いローで返す。さらにミドル、ローとテンポ良く繰り出すと、イスアエフは蹴りで応戦。すると次の瞬間、“バキ/バシッ”と両方の拳が激しく交錯した直後、両者の巨体が崩れ落ちた。
イスアエフは足を広げ、白目をむいて大の字失神。一方、尻もちをついたストフォリディスは効いた様子を見せながらもすくりと立ち上がる。一瞬の出来事に驚いた様子のレフェリーだったが、ピクリともしないイスアエフを確認するとやや戸惑った様子で両手を上げ終了の合図を示した。
当然ながら試合を中継したABEMAの視聴者は騒然。当初は「えええ」「うわああ」と言葉にならない興奮ぎみのコメントばかりが目立ったが、次第に「昔のK-1みたい」「クロスカウンターだった」「ダブルKO」「まるで衝撃映像」「こんなの初めて見た」と多くの驚きコメントが寄せられた。
スロー映像を確認すると、最初にストフォリディスの右ローに反応したイスアエフが左のフック、そこにストフォリディスの左のカウンターが炸裂。完璧に顔面を捉えていた。先にパンチを貰ったストフォリディスだったが、アゴを打ち抜かれ脳がグラグラと揺れているにも関わらず耐久性で勝利。一方、カウンターの強烈な一撃に散ったイスアエフは倒れ込み白目をむきながら天を仰いだ。
1ラウンド31秒での決着にONE公式SNSが「私たちが目撃したのは何だ! 衝撃のワンパンKO」と興奮気味に伝えると「アニメのワンシーンに」「椅子から転げ落ちた」とファン。現地リポーターはギリシャ人のハードヒッターとして活躍した元K−1戦士を言及して「マイク・ザンビディスのようだ」とストフォリディスを絶賛していた。