「煽っている」との声も オミクロン株が主流の今、デルタ株の“入院体験”を伝える思い
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「あれ…? なんか変かも…… 苦い!! サンドイッチが苦いっ!!!」
「酸素飽和度を計るパルスオキシメーター、『92』切ったら救急車って言われてるけど…どの指で計っても『80』切ってるんだよね……」

 これは、漫画家の橋本智広さんがコロナにかかり、重症化するまでの一部始終を漫画にした時の一コマだ。

【映像】“デルタ重症化”描いた漫画

 「デルタ株というコロナにかかりまして。インフルエンザの何倍もつらい状態で、例えば40度の熱が4、5日続いたり、倦怠感がすごくて」(橋本さん、以下同)

「煽っている」との声も オミクロン株が主流の今、デルタ株の“入院体験”を伝える思い
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 当時の症状について、こう話す橋本さん。デルタ株にかかったのは去年の7月、友人と食事に行った3日後に症状が出たという。保健所に連絡すると、食料が入った段ボール2箱分と水が届いた。保健所の対応にほっとしたという橋本さんだが、安心したのも束の間、同居する妻にも感染した。

 橋本さん自身も熱が一向に下がる気配はなく、生まれて初めて経験する40度超え。漫画の中では、「こんなもん『ただの風邪』なわけないだろが!!!」とそのつらさを描いている。

 「仕事なんか当然できないし、何か本とか読もうかな、ゲームでもしようかなと思ったんですけど、何にもしたくない。ただ寝てるしかないっていう状態」

 さらに、食欲不振にも。そんな時に唯一食べられたのが、「ゼリー飲料」と「飲むタイプのアイス」「フルーツ」だった。

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 その後、血中酸素飽和度が80を切ったためすぐに救急車を呼び、救急隊員により処置が行われた。「でもね、隊員さん。80切っててもそこまで苦しくなかったのよ」と話す橋本さんに対し、救急隊が言ったのが「ああ、それはハッピーハイポキシアですね」という言葉。

 「今ちょっと言い方は違うらしいんですが。コロナ患者特有の症状で、酸素飽和度が下がっていても息苦しくない状態。『本来なら橋本さんの数字、“79”なんていうのは、全力疾走した後の“はあはあ”“ぜえぜえ”になっているはずなんですよね』っていう話で。知らなかった言葉ですし、そういう症状があるのも知らないということで、漫画に描いたらすごくフォーカスされて、いろんな人がめちゃくちゃ聞いてきました」

 橋本さんは2時間かけて入院先が見つかり、病院に搬送。処置のために全身麻酔をかけられ、目覚めた時には点滴やカテーテルが挿入された状態だったという。

 現在はオミクロン株が主流で、感染力は強いものの重症化しにくいなどと言われているが、なぜデルタ株の体験を伝えようと思ったのか。

 「デルタの状態をアップしたのに対して、『オミクロンは弱毒化しているのに、(デルタ株で)重症化した漫画を今載せるのは煽っている』というのはけっこう来ました。でも、用心するには越したことがないと僕は思うんですね。経済大事だし、経済回すには……とおっしゃる意味もわかるんです。尾身会長の、ステイホーム、人流抑制ではなくて、人数制限にしようというのも、確かにそうだろうなと思います。『でも、気を付けてね』という意味で描いているので、煽りとかには当たらないと僕は思っています」

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 こうした橋本さんに寄せられた声に対して、BuzzFeed Japan News副編集長の神庭亮介氏は「今流行っているオミクロン株であっても、例えば基礎疾患があったり高齢であったりすれば、症状が重くなる可能性はある。『当時こうだったよね』とあらためて気を引き締めるための材料としてはいいのではないか。オミクロン株は比較的軽いという事例と、デルタ株の事例だけど重症化するという2つの情報、自分の主張に合わせたほうだけを得るのではなく、バランスよく情報を得ていくことが大事だと思う」との見方を示した。(『ABEMAヒルズ』より)

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