「助けてって言っていい」末期がん“余命2年半”漫画家が気づいた本当の救済
がん当事者が描く漫画 »

 2月4日は“世界対がんデー”。国立がん研究センターがん情報サービスによると、2018年に新たに診断されたがんは98万856例。同センターによると、今や国内で2人に1人はがんになり、3人に1人ががんを原因として亡くなっているという。

【映像】腹が減ると思ったら…大腸がんだった(漫画あり)

 末期の大腸がんと診断されたエピソードを描いたエッセイ漫画『末期ガンでも元気です。』では、作者ひるなまさんががんと向き合い、周囲のサポートを得ながら、闘病生活を送っていく様子が描かれている。

「ウッ… 急に腹が…!腹が減る…」

 作者のひるなまさんは日常的に強い空腹を感じていた。そんなある日、重い生理痛をきっかけに病院を受診することに。そこから、彼女の人生の歯車は大きく動き始めた。

「がんでした」

 複数の病院を受診し検査を行った結果、彼女が告げられたのは「大腸がん」。抱いていた謎の空腹感は大腸がん末期の自覚症状だったのだ。そして手術後、医師から告げられたのは、術後の平均寿命が2年半という現実だった。

「助けてって言っていい」末期がん“余命2年半”漫画家が気づいた本当の救済

 突然、がん患者となった彼女の苦悩や葛藤。そして彼女を支える家族や医師たちの存在。「がん患者の闘病生活」というシリアスなテーマを漫画を通してコミカルに、そしてポジティブに描いている。この漫画の作者で、主人公でもあるひるなまさん。漫画執筆の裏にはこんな思いがあったという。

「執筆というレアな職能を持つ人間が、レアな体験をしたからには『何か書くべきだろう』という思い。手術当時に自分の欲しい情報が載った本をなかなか見つけられなかったもどかしさ。がん患者本人の実際と世間のイメージのあまりの乖離。この3点とも、私の叫びを読者の方へいい形でお届けできた手応えがあることです。本当にこの本を出してよかったです」

 入院中の出来事や、退院後の生活。がん当事者が送る日々を赤裸々につづっている。自身と同じようにがんを抱えている人からの感謝の声がなによりの原動力だという。

「この漫画を読んで『美味しいもの食べていいんだ。友だちに会っていいんだ。助けてって言っていいんだ。仕事して、買い物して、お芝居見て、笑っていいんだ。って元気が出た』『気が楽になった』というようなメッセージを頂きました。病に立ち向かう人の力に少しでもなれたなら、何よりも嬉しいです」

 現在は週に1回、病院に通い抗ガン剤の点滴を受けながら自宅で普通に過ごす日々だというひるなまさん。家事をこなし、普通の食事をとり、時にはお酒を飲むこともあるという。

「助けてって言っていい」末期がん“余命2年半”漫画家が気づいた本当の救済

 毎年100万人近くががんを発症――。もし自分や、周りの人が当事者になったらどうすればいいのか。漫画の最後はこんなメッセージで締めくくられている。

「気づいちゃったんですよね。がんになったからって、結局いつまで生きるか不明なわけで、むしろ実は若いがん患者にとっては、ある意味一番の命題が“日常をどう保つか”だと分かったのです。多くの患者は化学療法をしながら不安に翻弄されながら、仕事を続け、家事を続け、趣味を続けて生きているわけで、本当の助けは“日常生活を支えること”なのです。だって死ぬまでは“生活していく”んですから」(『ABEMAヒルズ』より)

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