チーム谷川が“飛翔”今大会初勝利、予選突破にあと1つ/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Bリーグ2位決定1回戦、チーム谷川とチーム森下の対戦が2月5日に放送され、チーム谷川がスコア3-1で勝利し、予選2位での通過にあと1つと迫った。2位決定戦では、チーム中田と対戦する。敗れたチーム森下は予選敗退が決定した。

【動画】予選突破に望みをつないだチーム谷川

 タイトル27期を誇るレジェンドと、唯一の弟子の力がようやく噛み合い始めた。初戦では師匠・谷川浩司九段(59)、弟子の都成竜馬七段(32)ともにいいところなく、チーム鈴木の前にスコア0-3のストレート負け。2人とも過去に、同じフィッシャールールで戦う「ABEMAトーナメント」の出場歴があり、その際には活躍も見せていたところ。師弟タッグという、また違った雰囲気と緊張感に包まれる中で、2戦目でようやく本来の力を引き出した。

 先を切ったのは都成七段。1回戦では2連敗し内容も納得いかなかったが、第1局ではフィッシャールールの経験も豊富で好成績を収めている増田康宏六段(24)と対戦。居飛車、振り飛車どちらでも指しこなせるオールラウンダーぶりを活かして、先手の増田六段が居飛車穴熊を選んだところ、都成七段も四間飛車から穴熊に囲って、相穴熊のどっしりとした対局に持ち込んだ。序盤こそ「危険だったと思う」とリードを奪われたが、中盤以降は持ち直し、振り飛車らしい捌きも成功。勝ちが見えた終盤には「突然手が震える、危なっかしい寄せだった」と苦笑いこそしたが、チームに待望の初勝利を持ち帰った。

 戦う者たちにとって、勝利に勝る良薬はない。これで師弟の気持ちも楽になったか、続く第2局では谷川九段ものびのびと指した。過去にタイトル戦などでも数多く指してきた森下卓九段(55)との50代対決に臨むと、相居飛車の力戦形から森下九段の攻めを丁寧に受けて、形勢では終始リード。本来の持ち味である鋭い攻めでなくても、確実に勝利を収める巧みさを存分に見せた。

チーム谷川が“飛翔”今大会初勝利、予選突破にあと1つ/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 第3局は連投した谷川九段が増田六段に敗れたものの、続く第4局では都成七段が決めた。森下九段との一局は、今度は居飛車を選んで相掛かりに。早々にポイントを稼いで優位に立ったが、ここから短い持ち時間とチーム勝利へのプレッシャーからか、本人も「いやー」とばかりに顔をしかめる手を連発した。「終盤、5秒将棋になると乱れてしまって、何が起きてもおかしくなかった」と振り返るドタバタ劇ではあったが、何よりも欲しかった勝利は、かじりつくように持ち帰った。

 チーム名は、谷川九段が扇子に書く揮毫から取った「飛翔」。空高く、優雅に飛び回るというまではいかないが、まずはチームとして勝利を挙げたことで、ようやく飛び始めた谷川九段と都成七段。次はもっと見る者を興奮させる華麗な姿で飛ぶ。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】谷川浩司九段と都成竜馬七段の師弟
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【動画】超早指しに大慌てとなる棋士も
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