将棋のALSOK杯王将戦の七番勝負第4局が2月11日に行われ、挑戦者の藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)が封じ手とし1日目を終了した。明日12日の午前9時ごろに封じ手が開封され、渡辺明王将(名人、棋王、37)の手番から対局が再開する。注目のシリーズは第1局から藤井竜王が3連勝。本局にも勝利しストレートで奪取、史上4人目・最年少での五冠を達成するか、4連覇を目指す渡辺王将が大逆転防衛に向けて1勝を挙げるか。1日目終了時点で形勢は互角、持ち時間では渡辺王将が1時間以上のリードを持っている。
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棋士の序列1位で四冠保持者の藤井竜王、同2位で三冠保持者の渡辺王将という、まさに将棋界の頂点によるタイトル戦となったが、接戦が予想されたシリーズも勢いに勝る藤井竜王が第1局から3連勝。早くも奪取に王手をかけている。後がなくなった渡辺王将は、今シリーズ初となる矢倉を選択。対戦成績で2勝11敗と大きく負け越している相手から、まずは1勝をもぎ取って流れを変えたいところだ。
渡辺王将の矢倉に藤井竜王が雁木に構えた戦いは、両者の研究がぶつかり合ってか非常に早いテンポで指し手が進み、午後0時30分からの昼食休憩までに61手目まで進行した。午後に入ると両者ともに1時間を超える長考を入れたが、局面はさらに進んであっという間に終盤戦に突入。まだ持ち時間の残りはたっぷりあるが、一手一手が勝敗に直結するシビアな状況になっている。2日目も午前中から目が離せない展開だ。
藤井竜王があと1勝と迫る五冠だが、過去の達成者は大山康晴十五世名人(五冠独占)、中原誠十六世名人(74)、羽生善治九段(51)の3人だけ。また、最年少記録は羽生九段の22歳10カ月で、藤井竜王が本局で決めればこれを大きく上回る19歳6カ月という、初の「10代五冠」にもなる。
持ち時間は各8時間の2日制で、先手は渡辺王将。
【封じ手時の残り持ち時間】
渡辺明王将 5時間7分(消費2時間53分) 藤井聡太竜王 3時間31分(消費4時間29分)
(写真提供:日本将棋連盟)