ひろゆき氏「死刑や無期懲役の国もあるのに、さすがにおかしい」“スパイ活動”主戦場はネットへ…機密情報に緩すぎる日本
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 あらゆる手段でターゲットに近づき、機密情報を盗み出す “スパイ”。スパイと聞くと、映画などフィクションの世界をイメージしがちだが、そもそも本当にいるのだろうか 。

 ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した国際ジャーナリスト・山田敏弘氏は「スパイはあちこちにいる。数は把握できないくらいだ」と話す。

【映像】ひろゆき氏「日本の芸能人にスパイはいるか」 専門家が回答(24:05ごろ〜)

「まず、スパイが何のためにいるかというと、自分の国にどのような危険、脅威があるのか、事前に情報を得て、それを自分の国の政策に変えていくため。外交政策や軍事政策に変えて、自分の国を守る。それ以外に、相手国の重要なビジネスの先端技術を盗んで、自分たちの優位性を高めていく。極論を言うと、世界はスパイがいるからこそ回っている」(山田敏弘氏)

 実際に今年1月、イギリス情報局保安部(MI5)が「中国共産党の女性スパイがイギリスの議員に歩み寄り、政治に干渉している」と警戒を呼びかけた。緊張が続くウクライナでも、ロシアが攻撃する正当な理由を作るため、スパイ工作に動いているという情報も飛び交っている。

 表舞台に出ることなく、人知れず世界情勢に影響を与えてきたスパイ。元CIAスパイは「諜報活動は仕事ではない。『使命』を成し遂げるためにやっている」と明かす。

「諜報活動の世界で働けば、秘密こそが価値ある『通貨』で、集めた情報が自国や同盟国を守ることにつながる。いかなる責任を負うにしても、私は米国と民主主義のために働くのは、名誉なことだと考えてきた。たとえそれが『秘密の世界』の仕事であったとしても」(元CIAスパイ)

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 そして今、ネットやスマートフォンの普及、新型コロナの流行がスパイ活動の追い風になっているという。イギリスの情報機関MI6の元スパイは「主戦場がサイバー空間に移っている」と指摘する。

「今ではスパイ活動の45%が、ネット上で行われるようになっている。今では移動する必要はなく、パソコンの前に座り、リモートでデータを収集し、あらゆる調査をすることができる。そのデータは、かつてターゲットの周辺を歩き回って収集していたものよりも、はるかに優れており包括的だ。今やすべてサイバー戦争だ」(イギリスの情報機関MI6の元スパイ)

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 同時に世界中が警戒しているのが中国だ。日本政府も多くの企業や研究機関がサイバー攻撃を受けたとして、去年初めて名指しで中国を非難した。

 これらの動きをネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏はどう見ているのだろうか。

「国家どうこうではなく、民間でも日本は機密情報に対して緩い。元々いた会社で『こういうのを作ってましたよ』とか、転職した後、みんなベラベラしゃべる。アメリカだと損害賠償などになるが、日本だとけっこう当たり前にみんな話す。日本のメーカーの技術者が中国に転職して『日本の技術ではこうやって作っているよ』と教えたり、そういうことがざらにある。そもそもスパイどうこうより、日本は“秘密”に対してザルな国民性があると思う」

 そんな中、山田氏は「アメリカや中国のスパイは全人類のマッピング化を企てている」と話す。

「何億人のパスポート情報や住所、私たちがホテルに泊まるときに提供する情報も、アメリカ、中国は全部盗んでいる。アメリカの情報関係の人に話を聞くと『全部マッピングにしている』と言っていた。例えば、周りの友達や人間関係、全部(の情報)を紐づけていく。そのマッピングをAIにやらせている。中国は、中国に入ってきた反中国の人たちの関係者、サイバー攻撃する相手、スパイが使える情報など、そういったものをずっと盗んでいる。マッピングの中から(情報を)拾っていけるような、壮大なデータベースを作っている」

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 アメリカや中国のスパイ活動の内容を聞いたひろゆき氏は「たしかに、すごく優秀だ」と感心。

 また番組には元警視庁公安部で、外事警察としてスパイを捜査していた勝丸円覚氏もリモートで出演。顔出しは「現職の人たちに迷惑がかかる」といい、顔出しナシでの出演となった。

 勝丸氏によると「中国のスパイに関しては留学生を経験して、日本企業に就職をしたような人がスパイになっているケースが多い」という。ひろゆき氏が「それは最初からスパイなのか。それとも中国人留学生が勧誘されてスパイになるのか。どっちなのか」と聞くと、勝丸氏は「どちらのパターンもある」とコメント。「もともと本国でそういう教育を受けて送り込まれてくる人。あとは、普通の留学生として入ってきて日本で就職した人が、後から(スパイの関係者が)接近してきて『自分たちのために働かないか?』と勧誘するパターンがある」と答えた。

 ひろゆき氏は「でも実際、中国人留学生の家族は中国本土にいる。『スパイになれよ』と言われて、嫌だと言ったら家族に何をされるか分からない。実際、中国の人がスパイになるのを断るのは不可能ではないか」と続けて質問。勝丸氏は「まさにそうだ」といい、「協力をするとお小遣いをもらえて、逆に本国の自分の親族が年金だったり、いろいろ有利な扱いを受ける。家族にも有利で自分もお小遣いをもらえて、協力しない人はまずいないと思う」と見解を語った。

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 ここで、番組司会の平石直之アナウンサーが「前提として、極々一部のスパイについての話だ」として「(留学生の)みんなが当然スパイではない。これは押さえておかなきゃいけないと思う」と意見。スパイは、外国人留学生のうちの極々一部の可能性だとした。

 日本でスパイを見つけたときは、どのように逮捕するのだろうか。勝丸氏は「日本にはスパイ活動防止法に相当する法律がない。いわゆる日本の刑法で逮捕することになる」とコメント。よって、勝丸氏のような警察官が窃盗容疑などでスパイを逮捕しても、執行猶予が出たり、在宅起訴で母国に帰ってしまったりすると、追いかけられないという。

 これにはひろゆき氏も「死刑や無期懲役の国もある。それはさすがにおかしくないだろうか」と疑問。勝丸氏は「日本の現状はそうなっている。ただ、私たちとしては今もう(情報が)だだ漏れになっている状況を止める必要があって、長期刑罰は望めなくても『ここで逮捕する、書類送検する』という決断をする」と説明した。

 一方、相手が外国のスパイだとわかっても外交特権によって逮捕できない事例もあるという。勝丸氏は「外交特権は人を殺しても逮捕できない、されない特権だ。物を盗んだ、横領、背任で逮捕はできない。ただ、それ(スパイ活動)に協力していた日本人、外国人、いわゆる外交官の身分を持っていない者を逮捕する形になる」と話す。

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 安全保障上の脅威と分かっていながら、取り締まる法律もなく、スパイ天国と言われることもある日本。なぜ日本はスパイを防止する法律を用意していないのだろうか。

 前述の山田氏は「法律を作ろうという声もこれまであった」とした上で、「政治的に止まっている。戦争(世界第二次世界大戦)時代に、いろいろな監視をみんなでやって、国内で反政府の人たちを監視するみたいなことがあった。そういう思い出、悪い傷跡があって、そういうもの(法律)で政府が権利を持つことに少し違和感を持っている人たちがいる。加えて、やはり政治家たちも含めて、今後どうやって他国と付き合っていくかを考えると、そこまで踏み込もうという動機が政治にないのだと思う」と見解を述べた。

 実際に存在するスパイ。日本でも機密情報が引き出されないよう、何かしらの対策を打っておく必要がありそうだ。(「ABEMA Prime」より)

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