チーム谷川が予選2位通過 崖っぷちから驚きの巻き返し 谷川浩司九段「信じられない」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Bリーグ2位決定戦、チーム谷川とチーム中田の対戦が2月12日に放送され、チーム谷川がスコア4-1で勝利し、本戦出場を決めた。若手有利と言われる超早指し戦で弟子が師匠を引っ張る展開が多い中、この試合では谷川浩司九段(59)が2戦2勝と大活躍。予選1回戦では0-3のストレート負けだっただけに、谷川九段も「信じられない」と思わず口にする巻き返しでの予選突破となった。

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 タイトル27期のレジェンドが、弟子の前で往年の力を取り戻した。過去、団体戦「ABEMAトーナメント」では、全員50代の3人組のメンバーとして出場、若手相手に健闘したものの満足できる結果を残せていなかった谷川九段。弟子・都成竜馬七段(32)とのタッグ戦で、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールをついに自分の物にしたように、持てる力を十分に出し始めた。

 第1局を都成七段が落とし、スコア0-1で迎えた第2局。「何十年も指していない」という中田功八段(54)と対戦すると、振り飛車党の中田八段に対して、先手番から自分も向かい飛車を採用して、相振り飛車を選択。中田八段の方から仕掛けてきたところに反発し主導権を握ると、中盤から終盤にかけてはお互い好手連発の大激戦に。「最後決め損ねて逆転していた場面があったかもしれません」と冷や汗ものの勝利だったが、最終盤の勝負強さはさすが永世名人の有資格者。貴重な白星を持ち帰り、スコアもタイに戻した。

 一息ついて次の出番に備えようと思っていた谷川九段だが、控室に戻ると都成七段からまさかの連投依頼。これには「じゃあ、まあ、はい、はい、わかりました。もう行きます。ははは」と観念したかのような口ぶりで、第3局・佐藤天彦九段(34)との対局に向かっていった。佐藤九段の矢倉に対して急戦調の仕掛けを目指した谷川九段だが、早々に形勢を損ねて大劣勢に。それでも弟子の前であっさり投了はできないと粘りに粘ると逆転への道筋を見つけ、そこからは往年の切れ味を思い出させるような寄せで逆転勝利。名人3期、かつ順位戦A級と第一線で活躍する実力者に勝利し、ファンを大いに沸かせた。

チーム谷川が予選2位通過 崖っぷちから驚きの巻き返し 谷川浩司九段「信じられない」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 第4局は師匠の奮闘に背中を押されたのか、都成七段が中田八段との相振り飛車の熱戦を制して、チームの勝利を決めた。ただ対局後のコメントでも「師匠が連勝してくださったので、とにかくそれが大きかった」というように、たとえ負けてももう一局余裕があるという状況で指せたことが、都成七段に大きな力を与えていた。

 予選1回戦では0-3にストレート負け。力が出せず予選敗退もちらつく中、2位決定1回戦、そしてこの2位決定戦と確実にルールへの対応力を高め、また師弟で戦う心強さも実感し始めた。谷川九段は「最初が3連敗スタートですから、それを思えば信じられない気持ちです」と笑ったが、本戦に向けては「期間がありますので、あまりひどい作戦負けにならないように、序盤作戦をもう一度、弟子と2人で精査しなければいけない」と、勝って兜の緒を締めた。どんな競技でも大会中に力をつけたチームは強い。このチームの伸びしろは、まだ先が見えない。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】大活躍した谷川浩司九段
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