SNSの誹謗中傷体験や裁判例を共有するサイト「TOMARIGI」が公開 共同制作者の関口舞氏「似た事例を知れば距離をおけるのでは」
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 「インスタに自撮り写真を投稿したら、私の体型のことで誹謗中傷を書かれました。私は薬の副作用でどうしても痩せることができません。こういう人もいるのだということが世の中に広まり、誹謗中傷のない世界になるといいと思います」

【映像】誹謗中傷体験などの共有サイト「TOMARIGI」

 切実な声が寄せられたのは、今月からサービスを開始した、SNSの誹謗中傷体験や裁判例の共有サイト「TOMARIGI」。このほか、SNSをめぐる親友とのトラブル、「身に覚えのないデマを書き込まれた」など、つらい思いを打ち明ける人が相次いでいる。

 匿名で投稿された体験談には、共感や同じ体験をしたというリアクションを届けることできる。またTOMARIGIでは、SNSでトラブルに見舞われた際の対処法も紹介。「無視する」「記録を取る」など今すぐできることから、「削除依頼をする」「発信者情報開示請求をする」など、具体的な対処法について知ることができる。

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 さらに、ネット上のトラブルについて裁判所がどのような判断を示したのか、発信者の情報開示請求などについての事例も掲載。弁護士監修のもと、分かりやすい言葉に置き換えられているため、自分の体験に似たケースの判例を簡単に確認することができる。

 Twitter社によると、2021年上半期の民間からの情報開示請求は460件。このうち、241件と半数以上を占め世界最多だったのが日本だった。

 TOMARIGIを企画したカヤックによると、このサービス名には、SNSで傷つく人々が羽を休めるための拠り所でありたいという願いが込められているという。

■共同制作者の関口舞氏「私もTwitterで誹謗中傷を受けた」

 カヤックとタッグを組み開発に関わったのが、IT起業家の関口舞氏。きっかけは、自身がネットのサービスを立ち上げてきた経験からだという。

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 「私自身、昔からSNSをいろいろ作ってきて、この問題に対して何かできることはないかと感じていた。私もTwitterで誹謗中傷を受けたことがあって、同じ人から何度も書かれてけっこう怖い思いをしたことがある。きっと同じような言葉で誹謗中傷されたことがある人はたくさんいるはずなのに、そういった事例がなかなか見つからなかった。そこで弁護士に相談してから、やっと似たような裁判事例を教えてもらうことができた経緯がある」

 「書かれたことを気にするほうが悪いのかな」と悩んでいた中、その過去の裁判事例では誹謗中傷が侮辱行為と判断されていたことで、「自分が悪いのではない」と安心することができたという関口氏。

 「似た事例に対して裁判所がどのように判断しているのかを知ることができたら、少し出来事から距離をおいて心を癒やすことができるのではないかと思った」と誹謗中傷を受けた人に寄り添う一方で、加害者を減らすことも大きな目的にしているという。

 「木村花さんが亡くなってしまった件で、『自分のせいかもしれない』『訴えられるのが怖い』という相談が急増したことがあった。訴えられることまで覚悟の上で書き込みする人はほとんどいないと思うが、このサイトを広めることを通じて裁判例を知ってもらって、加害者になってしまう人を減らすことも大きな目的にしている」

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 体験談へのリアクションは「共感」ボタンのみ。その理由も「拠り所でありたい」という思いからだ。

 「なにかつらい気持ちをネット上で書き込みたいとか打ち明けたいと思った時に、質問サイトなどに書き込むとコメント欄で投稿者が批判されてしまうことがある。『あなたにも落ち度があったのではないか』などと厳しい意見が書かれ、さらに傷ついてしまうことがあると思う。なので、『TOMARIGI』ではあえてコメント機能をなくして、『気持ちわかるよ』『わたしは味方だよ』『同じ体験しました』と共感ボタンのみを置くことで、寄り添いの気持ちだけを届けられるようにしている」

(『ABEMAヒルズ』より)

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