「最盛期と比べて、部数は半分近いですね」。午前2時。明かりが灯る朝日新聞の販売店「ASA関町」(東京・練馬区)の温水謙三所長は危機感を口にした。経営を支える「折り込み広告」の売上も減少、コロナ禍の影響で、“ほぼ半減”という月さえあるという。
創業から83年を迎えた販売店の3代目として、購読する一軒一軒に宛て手紙を書いた。契約者の多くは60代以上。相手の生活を気遣いながら、雑誌などと併読してもらえないか、と綴った。「小さな一販売店ではありますが、新聞社には報道機関としての使命を改めて認識してもらい、より一層、読者の視点に立った紙面作りをするよう、要請致します。新聞がこの社会に存在する事で、みなさまの日々の暮らしがより良いものとなる一助となればとの思いです」。