麻雀は一般的に4人で戦い、14牌の中に「役」を作ることでアガることができるゲームです。役にはそれぞれ「翻数」が決められており、その翻数が多いほど点数も上がっていきます。1翻役から6翻役まであり、また複数の役を同時に成立させることで、翻数を積み重ねていくことも可能です。役を正しく理解することが、ゲームを有利に進め、勝利や高得点に向かう近道にもなります。このページでは1翻役から6翻役のほか、麻雀の華である「役満」までご紹介します。
門前(メンゼン)役と食い下がり役
麻雀の役には門前(メンゼン=ポン・チー・明カンなど、鳴いていない状態)の時のみに成立する「門前役」と、鳴くと翻数が1つ下がる「食い下がり役」があります。鳴いた後だと成立せず、アガれなくなってしまう場合もあるので、牌の構成とともにチェックしておきましょう。
※以下、門前役は◎、食い下がり役は★
◆1翻役
成立の条件が簡単で、出現の頻度もとても高い役になります。麻雀の基本にもなる役ですが、同時に複数を成立させることで、高得点にもつながりますので、しっかりと覚えておきましょう。
門前清自摸和(メンゼンツモ)◎
門前の状態でツモアガリ(自分でアガリ牌を引いてくる)した場合に成立します。
立直(リーチ)◎
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門前の状態でテンパイした場合「リーチ」と宣言し、1000点を支払うことで権利が発生、アガることで成立します。アガれた場合、出した1000点は回収できますが、アガれなかった場合は「供託」としてそのまま場に置かれ、次にアガった人が回収します。リーチをした後には、ツモった牌がアガリ牌でなくても、手牌と入れ替えることはできません。
一発(イッパツ)◎
立直をした後、自分が次巡にツモアガリするか、それまでに他者からロンアガリした場合に成立します。他者がポン、チー、カンした場合は、権利が消滅します。
役牌(ヤクハイ)
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場風牌(バカゼハイ)、自風牌(ジカゼハイ)、三元牌(サンゲンパイ)の3種類があります。場風牌は、東場であれば東の刻子(コーツ)または槓子(カンツ)があれば成立します。自風牌は、西家であれば西の刻子または槓子があれば成立します。なお、自風牌と場風牌が重なる(東場の東家など)場合は2翻役になります(※2翻役・連風牌を参照)。三元牌は白・發・中、それぞれ1種類でも刻子または槓子があれば成立します。2つ成立すれば、それぞれ1翻にカウントされます。
平和(ピンフ)◎
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4つの面子が順子(シュンツ)であり、かつ雀頭が役牌でない、さらにテンパイ型が両面待ちである場合に成立します。ツモアガリの場合には、平和のみツモ符がつかず、20符からの計算で、もれなく門前清自摸和と複合します。
断么九(タンヤオ)
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2~8までの数牌のみであれば成立します。
一盃口(イーペーコー)◎
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同じ順子が2組あれば成立します。
海底摸月(ハイテイラオユエ、ハイテイツモとも)
その局で最後の牌でツモアガリした場合に成立します。
河底撈魚(ホウテイラオユイ、ホウテイロンとも)
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その局の最後に河に捨てられた牌でロンアガリした場合に成立します。
搶槓(チャンカン)
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他者がポンをしていた刻子に1枚を加えて小明カンした際、その牌でロンアガリした場合に成立します。カン自体は不成立になるので、新たなドラ(カンドラ)は増えません。
嶺上開花(リンシャンカイホウ)
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カンをした際、手牌に補充した嶺上牌でツモアガリになった際に成立します。
◆2翻役
1翻役よりも難易度は上がり出現率は下がりますが、その分点数も期待できます。1翻役と同時に成立するものも多く、また鳴くと食い下がりにはなりますが、成立可能な役も存在します。
ダブル立直(ダブルリーチ)◎
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他者にポン、チー、カンのない状態で、1巡目で立直をかけるとダブル立直となります。
連風牌(レンプウハイ)
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場風牌と自風牌が重なった場合に成立します。東場の東家での東であれば「ダブ東」とも呼ばれます。
対々和(トイトイホウ)
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4つの面子を全て刻子(槓子を含んでも可能)で揃えると成立します。鳴いた場合でも、2翻のままです。
三暗刻(サンアンコウ)
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暗刻(アンコウ)3つで成立します。暗カンを含んでも可能です。
三色同刻(サンショクドウコウ)
萬子(マンズ)索子(ソウズ)筒子(ピンズ)で同じ数の刻子(槓子を含んでも可能)があれば成立します。鳴いた場合でも、2翻のままです。
三槓子(サンカンツ)
3つの槓子(明カン、暗カンを問わず)があれば成立します。鳴いた場合でも、2翻のままです。
小三元(ショウサンゲン)
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白・發・中のうち、2つの刻子(槓子を含んでも可能)と、残り1つが雀頭になると成立します。鳴いた場合でも、2翻のままです。2つの刻子は、もれなく役牌にもなるので、合わせて4翻が確定します。
混老頭(ホンロウトウ)
数牌の1か9、字牌のみで刻子(槓子を含んでも可能)で4面子、雀頭を揃えると成立します。七対子でも可能です。
三色同順(サンショクドウジュン)★
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萬子、索子、筒子で同じ並びの順子を揃えると成立します。鳴いた場合は食い下がりで1翻になります。
一気通貫(イッキツウカン)★
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同種の数牌を1から9まで揃えると成立します。鳴いた場合は食い下がりで1翻になります。
全帯么九(チャンタ)★
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4つの面子と雀頭を全てに数牌の1か9、字牌が含まれていると成立します。鳴いた場合は食い下がりで1翻になります。
七対子(チートイツ)◎
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7種類、7組の対子を揃えると成立します。同一牌の4枚を、2つの対子としてカウントすることはできません。特殊役のため、点数計算も特別となり、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」では単独であれば子が1600点、親が2400点を採用しています。
◆3翻役
2翻役よりも、さらに難易度が上がる3翻役ですが、それだけでも高得点になり、1翻役と複合すれば満貫にもなる大物手です。
二盃口(リャンペーコー)◎
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同じ順子が2組あれば成立する一盃口に対し、二盃口はそれをもう1セット揃えると成立します。
混一色(ホンイーソー)★
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4つの面子と雀頭を萬子、索子、筒子の数牌、字牌で構成すると成立します。順子、刻子、槓子(七対子であれば対子)、どれでも可能です。数牌のみ、字牌のみの場合は、さらに高い別の役になります。鳴いた場合は食い下がりで2翻になります。
純全帯么九(純チャンタ)★
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4つの面子と雀頭を全て、1か9の数牌が含まれたもので構成すると成立します。字牌が含まれている場合は2翻役の全帯么九になります。鳴いた場合は食い下がりで2翻になります。
◆6翻役
6翻役は1種類しかありませんが、門前であれば跳満確定、鳴いても満貫確定という高得点の役になります。
清一色(チンイーソー)★
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4つの面子と雀頭を、萬子、索子、筒子いずれかの数牌のみで構成すると成立します。順子、刻子、槓子(七対子であれば対子)字牌が入った場合には3翻役の混一色になります。鳴いた場合は食い下がりで5翻になります。
◆役満
麻雀の華とも言われる「役満」は、子であれば3万2000点、親であれば4万8000点という、満貫の4倍という超高得点の役になります。この役満も複合して成立するケースもあり「ダブル役満」ともなれば、一生で一度アガれるかどうかという天文学的な確率にもなります。
天和(テンホウ)◎
親が配牌の時点で4つの面子と雀頭が揃っている(七対子であれば7つの対子)と成立します。
地和(チーホウ)◎
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子が他者のポン、チー、カンなどがない状態で、最初のツモで4つの面子と雀頭が揃う(七対子であれば7つの対子)と成立します。
国士無双(コクシムソウ)◎
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6種類ある数牌の1と9、7種類の字牌の計13種類を全て集め、そのうち1つを雀頭にすると成立します。先に13枚を揃え、テンパイの形が13面待ちになった状態をダブル役満扱いする場合もあります。
四暗刻(スーアンコウ)◎
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4つの面子を全て暗刻で揃えることで成立します。先に4つの暗刻を作り上げ、単騎待ちでアガる「四暗刻単騎」をダブル役満扱いにする場合もあります。
大三元(ダイサンゲン)
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白、發、中の三元牌を全て刻子(槓子を含んでも可能)にした状態でアガれば成立します。残り1つの面子、雀頭の種類に制限はありません。
緑一色(リューイーソウ)
索子の2、3、4、6、8、字牌の發の6種類のみで4つの面子、雀頭を揃えると成立します。順子、刻子、槓子などの種類は問いません。
字一色(ツーイーソウ)
4つの面子と雀頭(七対子であれば7つの対子)を全て字牌で揃えると成立します。
小四喜(ショウスーシー)
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3つの面子、雀頭を風牌の刻子(槓子を含んでも可能)で揃えることで成立します。残り1つの面子に制限はありません。
大四喜(ダイスーシー)
4つの面子を風牌の刻子(槓子を含んでも可能)で揃えることで成立します。雀頭の種類に制限はありません。
清老頭(チンロウトウ)
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4つの面子と雀頭を全て数牌の1、9の刻子(槓子を含んでも可能)で揃えることで成立します。
四槓子(スーカンツ)
4つの面子を全てカン(明カン、暗カンを問わない)で揃えることで成立します。
九蓮宝燈(チュウレンポウトウ)◎
萬子、筒子、索子の数牌のどれか1種類で1と9を3枚、2~8を1枚ずつ、さらに1~9の中から雀頭を作ることで成立します。雀頭がない形で9面待ちのテンパイとなることを「純正九蓮宝燈」と呼び、ダブル役満にする場合もあります。