2月16日に開催された『RISE FIGHT CLUB』(新宿FACE)で、最もインパクトを残した試合は安彦考真vs相内誠だった。
相内は元プロ野球・西武ライオンズの投手。昨年、格闘家に転身しRISEでの初戦には敗れたが、『BreakingDown』ではKO勝利を収めている。対する安彦は元サッカー選手。“年俸120円”でJリーグデビューを果たして話題を呼んだ。
“サッカーvs野球”の格闘技戦、なおかつこの『RISE FIGHT CLUB』はオープンフィンガーグローブ着用。アグレッシブなファイタータイプが多いマッチメイクで“ケンカマッチ”的な演出も施されていた。
そんな中、相内も記者会見で「サクッとやっつける」、「練習しなくて大丈夫」と自信満々かつ不敵なコメント。練習よりも「飲みのほうが忙しい」と語り、ノーダメージで勝って試合後も飲みに行くと豪語していた。
実際、身長185cmと長身でリーチも長い相内が有利に思われた。序盤、攻め込んだのも相内。しかし安彦も臆せず拳を振り、ロープを背負わせると右フックを叩き込んでダウンを奪う。
落ち着いて立ち上がった相内だぅたが、直後にヒザ蹴りをボディに直撃され、マウスピースを吐き出す悶絶KO。喜びを爆発させた安彦とは対照的に、相内はインタビュースペースでも悔しそうな表情。
とても飲みに行ける状態ではなかった相内。単純に「悔しいからまた頑張る」と言える状態でもなかった。
「やっぱり、負けましたから......」
すぐにまたチャンスが来るとは思えない。野球という厳しい競争社会で生きてきたからなのか、RISEで連続KO負けという結果を重く受け止めているようだ。今後に関しては「サッカー選手になります」と苦笑するしかなかった。
自暴自棄か、とも思えるほどの状態だった相内。それでもコメントをしながら気を取り直すと「切り替えないといけない。次のチャンスがあるなら100倍努力します」。会見での余裕ぶりはそこにはなかった。
今の相内に必要なのは話題性よりもリップサービスよりも勝ち星。次こそ正念場となる。