「初めはこの程度の悩みで発達検査を受けていいのかなと思いましたが、いざ受けてみると先生も優しくて、気楽に検査を受けることができました。少しでも『言葉』に不安を感じている方は、受けられてみてはいかがでしょうか」(漫画作者・ぴぴまるさん)
我が子の成長に不安を抱える親の力に……そんな思いで描かれた漫画に共感の声が集まっている。物語は、2歳9カ月の娘を持つ母親で漫画の作者でもある「ぴぴまるさん」の経験談。娘は2歳になってもしゃべることが苦手で、複数の言葉を繋げて話す“2語文”や“3語文”が出てこなかった。そこで、娘の発達を心配に思った母親は「発達検査」を受けることにした。
「発達検査」とは、認知や言語・社会性、運動など子どもの状況を客観的かつ多角的に測定する検査のことで、「健常児では何歳に相当するか」と診断される。積み木を積んだり絵の名前を答えたりと、病院でさまざまな検査を行った結果、娘が診断されたのは「言語」の5カ月程度の遅れだった。
その後、言語を引き出すためのアドバイスを受けてそれを実践。すると、これまでできなかった2語文や3語文が少しずつしゃべれるようになった。
「ママ、きて」「ママ、ねんね」「ママ、ねんねしたい」
早い段階での検査とその後の努力により、大人しかった娘が明るくしゃべれるようになっていくという物語が描かれている。
自分と同じように「悩む人へ届けたい」――。そうした思いから漫画を執筆し、Twitterに投稿したぴぴまるさんだが、当時は「この程度で検査を受けてもいいのか」と悩んだこともあったそうだ。
「『発達検査』という名前の印象から、『ある程度、明確に発達に遅れがないと受けられないものなのかな?』と不安でした。しかし、子どもの発達に関する問題は、時間が経つほど重症化したり複雑化したりすることがあるそうなので、検査を受けることに迷いつつも『少しでも早めに……!』と決意しました」
検査を行なったからこそ問題が明らかになり、それだけに向き合えるようになったと話すぴぴまるさん。かつての自分と同様に悩む人たちへ向けて、こう呼びかける。
「ここまではっきりと『言語の発達年齢は5カ月遅れ』とわかるものだと思っていなかったので、この時点で検査を受けてよかったと思いました。悩んでいるのなら早めに検査を受けた方がいいと思います。きっと心のもやもやが晴れると思います」
このニュースを受けて、『ABEMAヒルズ』のコメンテーターでキャスター取締役CROの石倉秀明氏は「もし子どもがこういった状況になったときに、原因がわからないのが一番不安だと思う。『発達検査』には『発達障害』という言葉がついてくるので抵抗を感じる人もいるかもしれないが、僕自身は『発達障害』という病名を聞いて楽になった。障害だと思うか特徴として理解するかによっても考え方は変わるので、親や自身の捉え方が大事」だと話す。
実は、自身の幼少期について「元々空気が読めなかったり、人の気持ちがわからなかったり、ルーティンを外れるとパニックになったりすることもあった」と振り返る石倉氏も、39歳のときに自閉スペクトラム症(=ASD)と判明。検査を受けたころを振り返り、「仲良くしている人からの指摘で検査を受けてみたが、『特性として、そういう障害があるんだ』と思い、自分がすっきりした」と明かした。
最後に、同じような状況の人に向けて「周りの受け止め方も大事だけど、僕の周りの人は特別に受け止めてくれているわけじゃない。社会に出てから、(発達障害を)気にしない人もたくさんいるとわかったので、普通にいてくれる人たちを大事にするほうが幸せ」だとメッセージを送った。(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側