いよいよここからが本番と言っていいだろう。平田樹が、3月26日に開催されるONE Championshipの10周年記念大会『ONE X』に出場する。青木真也vs秋山成勲の因縁の対決、若松佑弥のタイトル挑戦など注目カードが並んだビッグマッチ。女子ではアンジェラ・リーとスタンプ・フェアテックスのアトム級タイトルマッチが組まれている。
日本からは山口芽生がグラップリングマッチに出場。そして平田はジヒン・ラズワンと対戦する。ラズワンは前回、微妙な判定ながら山口に勝った選手だ。
平田は昨年、女子トーナメントにエントリー。1回戦を突破したものの、準決勝は体調不良で欠場。今回は復帰戦だ。
「自分のためにもみんなのためにも、いつも通り派手な試合を」
2日の記者会見で、そうコメントした平田。同じ日にタイトルマッチが行なわれるだけに、ここで実力をアピールしておきたい。ABEMAの『格闘代理戦争』で優勝し、プロデビューがONEという特異なキャリア。それでも海外の選手と渡り合い、ここまで無敗のレコードを残している。柔道という絶対的バックボーンに加え打撃も強く、レスリングも成長中だ。
だが、会見にリモートで出席したラズワンは平田のキャリアの浅さを指摘し「まだそれほど試されていない」とコメント。「グラップリングで決着をつけます」とも語っている。前戦では山口のテイクダウンを防いで勝っただけに、自信もあるのだろう。平田のテイクダウンを認めつつ、特にグラップリングの面で「試されていない」としている。
そう言われて面白くないのは平田だ。課題もありつつ、ここまでテイクダウンを軸に勝っているのは間違いない。ラズワンに対して「作戦的にはパウンド地獄。白黒はっきりつけて終わらせる」と語った。テイクダウンし、ポジションを取り、思い切り殴りまくってやるということだ。
「しっかりKOか一本で。パウンドでボコボコにして終わろうかなと思ってます」
リモートながら舌戦を展開、闘志を隠さなかった両者。平田は「ぶっ殺してやります」という強烈な言葉も。
モンスターエナジーとのスポンサーシップ契約も話題になった平田。タイトル戦線参入、そして挑戦、戴冠へ。頂点への道はここから本格化する。
文／橋本宗洋
