ひろゆき氏「平和的な終わり方ない」ウクライナ侵攻、核兵器使用の懸念に専門家も「こんな時代を見るとは」
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 ロシア軍が現地時間の4日未明、ウクライナ南部にあるヨーロッパ最大規模の原子力発電所「ザポリージャ原発」を攻撃した。

 攻撃による放射能漏れが懸念されたが、その後、IAEA(国際原子力機関)は「原発周辺の放射線量に変化はない」とウクライナ側から報告を受けたことを発表。原発も一部施設が火災に見舞われたが、原子炉建屋への火災は確認されていないという。

【映像】ウクライナ国内の原発稼働状況(図あり)※1:30ごろ~

 その後、ウクライナ当局は「ロシア軍にザポリージャ原発が制圧された」と発表した。加えて、ロシアのプーチン大統領が核使用をちらつかせるなど、日に日に緊張が高まっている。

 今後、実際に核兵器が使われてしまうのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した防衛省防衛研究所・防衛政策研究室長の高橋杉雄氏は「ロシアが核兵器を使う可能性は基本的には低い」と話す。

「核は『使うぞ、使うぞ』と脅すことが目的だろう。本当に効果を最大化したかったら、何も言わないで奇襲するのが一番いい。今は脅かして、相手(ウクライナ)が怖気づいて退くのを待っているんだと思う」

 一方で、高橋氏は「仮に核兵器を使うとすれば、1つの可能性は人が少ない無人地帯で爆発させて『我々は本気だぞ』と見せる。第2の可能性は、社会を破壊する一環で、都市外縁部などを狙って使うが、その可能性は非常に低いと思う。3つ目の可能性は、直接人が死なない電磁パルスで、核弾頭を宇宙空間で爆発させる。すると、すごい強い電磁波が来て、スマホや送電線を通じて電力系統が全部やられてしまう。3つの可能性のどれかが(起こる)可能性がある」と述べる。

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 これまで国際安全保障について、さまざまな研究をしてきた高橋氏。そんな高橋氏でも「本当にこんな時代を見ると思わなかった」と嘆く。

「先進国による民衆をターゲットとした戦争が21世紀に行われている。これは想像を超えている。今、西側が行っている対策は、ロシアに対する経済制裁だ。これは、つまりロシア社会を破壊することでロシアを止めようとしている。今、戦場で軍隊と軍隊が戦っているのに、被害を受けるのはウクライナ社会とロシア社会だ。この時代に、2つの社会が破壊し合っている。本当にこんな時代を見ると思わなかった」

 今後、この戦争が第3次世界大戦に発展する可能性はあるのだろうか。高橋氏は「いわゆる世界大戦ということでいえば、NATO、アメリカ軍が何らかの形でロシア軍を阻止しようと介入した場合、物理的には世界大戦になる可能性がある」と話す。

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 ゼレンスキー大統領は国民総動員令に署名し、ウクライナでは18〜60歳の男性市民の出国が全面禁止されてる。国民を国外や犠牲が及ばない場所に退避させる選択肢はないのだろうか。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「ウクライナは人口が約4000万人いる。4000万人が避難できるような都市や国はない」と指摘。その上で「ロシアのプーチン大統領は元々、ウクライナを攻めないよと言っていたじゃないか。でも、結果としてウクライナを攻めた。東のドンバス地区に対して、あくまで独立承認したから、そこを保護するという理由であれば、まだ大義名分があった。今度は核を使うかもしれない。そうすると『どうやって戦争終わるの?』と(思ってしまう)。おそらく、平和的な終わり方はない。あとはロシア国内でプーチン政権が倒れるなど戦争継続が不能になる以外に、戦争を止められるオプションがない気がする」と述べた。

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 高橋氏は「私の考えはまさに、ゼレンスキー大統領が諦めるかプーチンが諦めるかどちらかだ」と話す。

「諦める理由は、自分たちの社会がどれだけ大きな打撃を受けているか、だ。ウクライナもロシアも、これから時間が経てば経つほど、弱くなる。ロシアが本当に弱くなるまでウクライナが耐え切れれば、そのときに、要するにロシア側の時計の針が全部逆に回り始めて、プーチン政権が倒れるかもしれない。そうなれば、戦争は終わる。そうでなければ、ウクライナのゼレンスキー政権が諦める、あるいはキエフが焦土になって諦めざるを得ない状態になる。そのどちらかしかない」

 ゼレンスキー大統領は、自国を防衛する意向がある希望者全員に武器を提供する方針を示している。ひろゆき氏は「ゼレンスキー大統領はきっと自分が死ぬことは覚悟していて、死んだ後も『レジスタンスしようぜ』と国中に武器を配っている。そうするとキエフが陥落して、たとえゼレンスキー大統領が死んだとしても、ウクライナ国民が戦い続ける。そうなると、負けようがないのでは」と指摘。その上で「軍備をNATOや他の国が提供し続けると、ウクライナが負けを認めることが難しくなる。その間、ずっと経済制裁をロシアにやり続ける。そうすると、ロシアは一発逆転狙うために核ぐらいしか(手段が)残っていないのではないか」と危惧する。

 もし大統領が不在となった場合、高橋氏も「いわゆるベトナム、アフガニスタン、イラク状態に(ウクライナが)なるということだ。それは十分起こる可能性はある」と同意。「核兵器を使っても皆殺しにすることはできないし、今まさにひろゆきさんが言ったように、ある意味ゼレンスキー政権、ウクライナ政府が残ってくれないと、この戦争は終われない」と訴えた。

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 続けてひろゆき氏は、第二次世界大戦時にアメリカが行った原子爆弾投下に言及。「東京に核爆弾を落としたら東京の政府がなくなっちゃうから、広島と長崎に落とした。同じようなことが可能性としてあるのか」と高橋氏に質問した。

 この質問に高橋氏は「その使い方は1つのオプションとしてあると思う」と回答。また、キエフの手前まで迫っているロシア軍が止まっている理由について、高橋氏は「いくつかの見方があるが、私の見方はこのあと大砲が届く場所までロシア軍が進出して、そこから砲弾を何千、何万と雨あられのように降らせる。止まっている理由は砲弾の補給を待っているのではないかと思っている。全く機能していない可能性もあるが、他の行動と整合性がある仮説はこうだ」と分析した。

 首都キエフの陥落は時間の問題なのだろうか。高橋氏は「陥落するために、まずは占領しないといけない」と話す。

「占領しようして、例えば街中に部隊が入っていくと、見えないところから360度から銃撃を受ける。なので、そういう作戦は攻めている側の死傷者がものすごく出る。それを避けるためには、外からとにかく弾を撃ち込むしかない。弾を撃ち込んでキエフを焦土にして、政府が残っている状態で降伏させる事態は起こるかもしれない」

(『ABEMA Prime』より)

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