3日、2回目の停戦協議でロシアとウクライナは、ウクライナ南東部のマリウポリとボルノバーハに人道回廊の設置を合意した。しかし5日、ロシア側の攻撃が止まず避難に失敗。6日に再び避難を試みるもまたもや失敗に終わった。
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なぜ、ロシア軍は民間人への攻撃を止めなかったのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、軍事ジャーナリスト・井上和彦氏に話を聞いた。
「あってはならないことですが、ロシア軍は『これ以上、ウクライナ軍が抵抗するとたくさんの民間人が犠牲になるぞ。だから早く降伏しろ』という意図があるとみられます。また、国内や国際社会に向けた、『私たちは、民間人を攻撃しません。退避するルートも確保しました。しかし、民間人は逃げなかったので攻撃しました』というアピールもあると思っています」
ロシアの侵攻はどうすれば止められるのか。井上氏は、ロシア国内外から同時に揺さぶる必要があると話す。
「NATOは、ロシアと直接対峙するのを避けるため、ウクライナへ後方から支援物資や必要な兵器を提供するのが精一杯だと思います。もう1つは、一方で、ロシア国内でのでは命がけの反戦デモを行っている人がたくさんいます。ウクライナへの侵攻が長引くほど、ロシア国内での反戦ムードは盛り上がっていくほか、いくら情報統制を行っても、高度なIT化した社会ではどんな形でも情報は入ってきます。その情報を手に入れたロシア国民の中で、国に疑問を抱く人たちが出てくる。そうした中で、ロシアの内側と外側から同時に政権へ揺さぶりをかける必要があると思います」
停戦協議が守られない中、今後の「終着点」はどこにあるのだろうか。
「そもそもウクライナは、ロシア軍は国内から出ていってくれと言うのが精一杯です。一方でロシアの要求は、妥協点がないのです。本来であれば、『こうすれば解決点が見出だせる』と言いたいところですが、残念ながら決着というのは、プーチン大統領の腹積もり一つという形になると思います」
なお、ロシア国営テレビによると、ロシア国防省は首都キエフなど4つの都市で、日本時間の午後4時から一時停戦し、市民の避難を認めると発表した。この措置は、プーチン大統領とフランスのマクロン大統領の電話会談の合意に基づいて決定されたとしている。
(『ABEMAヒルズ』より)
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