ここ数年、世界ではスポーツ競技を賭けの対象とする「スポーツベッティング」が盛り上がっている。以前は「ブックメーカー」で有名なイギリスが突出していたが、2000年代に入り次々と各国が参入、2018年にアメリカでも一部の州を除いて合法化されたことで、一気に市場規模が大きくなった。これに伴い、日本でもスポーツベッティングを含めた欧米で進むスポーツDXビジネスの実現について検討する識者も増え、DX(デジタルトランスフォーメーション)によるスポーツ産業の振興を目指す「スポーツエコシステム推進協議会」が設立、30社が加盟した。このアドバイザリーボードメンバーを務めるのが、フェンシングで日本初のメダリストにもなり、現在はIOC(国際オリンピック委員会)の委員でもある太田雄貴氏。国内でのベッティング実現にはまだ年月もかかり、クリアする課題も多いが、その中でも「一番のDXだった」と表現したのが、コロナ禍での公営競技の躍進だった。