男子体操の個人総合で五輪連覇をはじめ世界選手権6連覇など多くの偉業を達成した体操界のレジェンド・内村航平(33)の引退イベント「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」が12日、東京体育館で行われ、元プロテニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏が登場。しかし、冒頭の登壇直後に「すみません! ちょっと音楽を止めてくれる」と場内演出に注文を付けて会場を騒然とさせる一幕があった。
松岡修造は内村が20歳の2009年から取材を続けてきた“キングを誰よりも知る男”。華やかな演出のなか登壇すると突然右手を伸ばし「すみません! ちょっと音楽を止めてくれる」と声を上げた。すると、場内は騒然。「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」を中継したABEMAのファンからも「落ち着けw」「熱男」「音楽止めるなw」など様々な反応が寄せられた。
その後、要求通りに音楽はストップ。場内がざわつくなか「この会場にいる皆さん。そして、ABEMA TVを見ている皆さんは…(数秒の間)幸せ者です」といつもの調子で絶叫。再び場内をざわつかせた。
さらに松岡は「内村さんのラストを感じれる。(客席を指差し)そんな近い会場なんて見たことない。そして今、真後ろでは選手たちが本気の思いで待っているのを僕は感じている。今日の舞台。皆さんが作る舞台は最高です」などと続け、長年の取材活動のなかで内村に持った印象については「体操キング!」とした。
その後、この日の主役である内村は大観衆の中で個人総合の全6種目に臨み、鉄棒ではH難度の大技であるブレットシュナイダーも披露。最後の着地こそわずかに乱れたが、見事な演技に会場からは万雷の拍手が鳴り響いた。直後、ゆかの上で仲間たちに胴上げされ、6度宙を舞った内村は右腕を突き上げ、満面の笑みを浮かべて有終の美を飾った。