女子ムエタイの試合で、ナタのように相手の顔を切り裂く“縦ヒジ”による衝撃TKO決着。直後、突如として画面から消えた敗者に実況席や視聴者からは「すごい音だった」「顔面破壊だ」「顔、大丈夫か」「折れてる」など、様々な憶測や心配の声が相次いで寄せられた。
3月11日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE: LIGHTS OUT」でイマン・バーロウ(イギリス)とダニエラ・ロペス(アルゼンチン)のムエタイ戦が行われ、1ラウンド、バーロウの縦ヒジがロペスの鼻を破壊し、レフェリーが即試合をストップするという劇的な幕切れに。欧州屈指の女子キックボクサーの鮮烈なONEデビュー戦に「エグい選手が来た」「女子でこんな怖い選手がいたとは」など、ファンに戦慄が走った。
欧州のキックボクシング大会「エンフュージョン」の元絶対王者でキックとムエタイ94勝6敗のバーロウ。コールと共に投げキッスを披露するなど、試合前からONEデビュー戦とは思えない余裕と貫禄を見せつける。対するロペスは双子の姉妹で共に格闘家、この日の第一試合を終えた妹のミラグロス(リン・ホーチンに判定負け)がセコンドについて試合に臨んだ。
欧州からの刺客は、ゴングとともに格の違いをまざまざと見せつける。蹴りやストレートの連打はどれも切れ味が鋭く、首相撲でもあっという間にロペスをケージ際へ。特筆すべきは、バーロウが放つ強烈な縦ヒジだ。殺意すら感じられる凶器のような一発を見せられたロペスは、たまらずクリンチに逃れる他術がない。
そして、衝撃の結末は1ラウンド中盤に訪れる。両者が対面した場面で、バーロウが遠距離から飛び込みざまに突き刺さるような縦ヒジを振りかざすと、「バキッ」という音とともにロペスの鼻を切り裂く鈍い音が。
これにはABEMA実況の西達彦アナウンサーも「また来た! また来た!」と絶叫。解説の大沢ケンジも「恐ろしい」と言葉を漏らし、ゲスト解説の仙三は「危ないですね…」とポツリ。もつれるように倒れた両者に割って入ったレフェリーが即座にタイムを要求。インジャリータイムに入った。
その間に流れたスローリプレイには、鼻柱をピンポイントで捉えたバーロウのヒジに対して、衝撃に思わず仰け反るロペス。視聴者が「鼻折れたんじゃないか」「女子でこんな怖い選手がいたとは…」「斧みたいだった」など騒然となる中、メディカルスタッフがロペスを囲む様子を心配そうに注視していたレフェリーが重傷と判断して両手を広げ、試合をストップした。
その後も何度も映し出される縦ヒジの衝撃ショットに大沢は「あーっ」と痛そうなリアクション。一方の仙三はその後、画面上から消えたロペスを察したか「ストップだから(鼻が)折れてるんでしょうね。顔も全然映さない…」と絶句。
本来、試合後には勝者と敗者がリング中央に並ぶのが慣例にも関わらず、リングにはバーロウがポツリ。勝ち名乗りを受けたバーロウの右ヒジには、ロペスの顔を切り裂いた際に浴びたとみられる返り血が滴っていた。