「過去のことも話せる同僚は、本当に大切な存在」再犯防止のためには悪友の遮断と新たな人間関係の構築は不可欠か
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 住宅のリフォームなどを手掛ける社員6人の企業。実はそのうち、5人が少年院や刑務所に入っていた経験を持つ。刑務所からの出所者などの再犯について、法務省は、仕事や住居や相談相手がない状況で引き起こされているケースが多いと指摘しており、代表の斉藤さん(26歳、仮名)も、なるべく孤独にさせないこと、そして安心して働ける環境こそが必要だと考えている。「例えば休日は一緒に食事をしたり、年に2回は旅行に行ったり。仕事もプライベートも共にできるような仲間でやっていきたい」。

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 そして斉藤さんが重視するのが、かつての人間関係の“清算”だ。「再犯を防ぐために、地元の人間関係をできる限り断ち切るということを、本人にもしっかり伝えている」と明かす。

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 営業担当の山田さん(20代、仮名)も10代の頃に窃盗の罪で少年院に入所。しかし親を悲しませたくないという思いから携帯やSNSのデータを全て消去、かつての交遊関係を全て断ち切った。「人間誰しも心は弱い。だから仲間が欲しいし、認めてほしくて、悪いことだと分かっていながら仕方なく手を染めてしまう。それが再犯だと思う。僕は逮捕された後、母親が泣いている姿、土下座をしている姿を目の前で見て、心が痛かった。それが今の頑張る糧になっている。大事なことは、家族を悲しませないことだと思う」

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 退所から7年。今はこの会社が“自分の居場所”だと感じているという。「職場の仲間には過去の話も含めて話ができる。“昔のことだから仕方ないね。今を頑張ろうよ”と。本当に大切な存在だ。もうファミリーみたいな感じで、プライベートも一緒に」。それでも、職場以外で出会った人に自らの犯罪歴を明かすことは難しいと話す。「不安なので、一旦は伏せておく…」。

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 少年院や刑務所で配布されている求人誌『Chance!!』の三宅晶子編集長は「山田さんの勤務先のような会社は特別だと思うが、やはり同じような境遇の仲間がいるということで上手くいきやすいと言われている。そして山田さんがそうしたように、本当にやり直そうと思ったら、全て断ち切ってゼロからのスタートにしないといけない。大変なことだとは思うが、かつての仲間から誘われると、どうしても断りづらかったりするからだ」と話した。

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 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「貧困には経済的な貧困だけでなく、文化的な貧困の問題もあると言われている。自分も貧困の生まれなので、こすっからくて嫌な奴がいっぱいいたことを思い出す。でも、犯罪はそういう貧しさが原因で起きていることが多いし、もっと言えば、境界知能のような人たちもいるわけで、そういう人たちがどのようにして交友関係を持つのかという問題は、綺麗事だけでは済まない、非常に難しい問題だと思う。それでも、我々の社会は複雑で多様な人々で成り立っているわけで、その中には前科がある人だっている。

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 もちろん、どんな罪を犯した人であっても受け入れろと要求するのもおかしいし、一方でどこにも居場所がないというのもおかしいわけだ。社会が少しでも続いていくためにも、いろいろな人材や居場所を用意しておく。その意味では、罪を犯した人を包摂する社会にしていくことが重要だと思う」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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