2014年にウクライナで行われた革命によって起きた騒乱を撮影したドキュメンタリー映画『ピアノ―ウクライナの尊厳を守る闘い―』。当時、親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領政権に抗議する市民や学生が軍や警察と衝突し、多くの死者を出した。「ユーロ・マイダン革命」、通称「尊厳の革命」とも言われている。
ロシアによる侵攻が激しさを増す中、ドキュメンタリー映画を配信する会社がウクライナ支援のために視聴料を寄付する取り組みを実施。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、ドキュメンタリー映画専門の動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」の伴野智社長にその想いを聞いた。
「革命運動の中でバリケードを築かれていたピアノ。それを見つけた音楽院の学生が助け出した。学生が広場で演奏を始めると、ピアノの輪が広がっていく。色々な人がピアノを触り演奏することで、メッセージが伝わっていく。こうしたエピソードをドキュメンタリーにしている」(「アジアンドキュメンタリーズ」伴野智社長・以下同)
「アジアンドキュメンタリーズ」では、今月11日から日本初公開で映画の配信を実施。ウクライナ支援のため、視聴料を在日ウクライナ大使館に寄付する取り組みを行っている。
「音楽の持つ力を強く感じさせる。ピアノの音色から、1人1人の演奏者のウクライナへの思いや切実な気持ちが伝わってくる。そういう音楽で平和を訴えていくというメッセージが素晴らしい。ウクライナのドキュメンタリーを見て、『いったい何が起こっているのか』『どういう歴史の中で、過去にこういうことが起きて、だから今があるんだ』と、ウクライナのことを知りながら寄付もできる。そういうことに気軽に、手軽に参加できる」
4月から、ウクライナをテーマにした他のドキュメンタリー映画も配信するという。緊急支援企画として立ち上げた今回のプロジェクトには、「ウクライナ支援のために声を上げたい」という思いと同時に、日本人に感じてほしいことがあると伴野社長は話す。
「もし自分がウクライナの人々だったらどうするのか。自分事に置き換えて考えることで、色々な意見が出てくると思う。(動画の視聴を)そのきっかけにしてほしい」
なぜウクライナの人々が現在もロシアの軍事侵攻に立ち向かっているのか――。さまざまな意見が出る中で、実際に起きたドキュメンタリー映画を入り口に、興味を持ったり自分事で考えるきっかけにしたりしてほしいと伴野さんは訴える。
「(ウクライナの人々は)自分たちの祖国を必死で守ろうとしている。私たちは自由が当たり前のような環境にいるが、自由を勝ち取るために戦わなければいけないという現状を目の当たりにすることで、改めて我々が自由の中で生きていることのありがたさを感じられる。『自由って守っていかないといけないんだ』ということを改めて実感してほしい」
「(視聴料の寄付は、支援に)参加しやすくて、なおかつ全国どこからでも参加できる。色々なプラスの面があると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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