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 『仮面ライダークウガ』の刑事役でイケメンヒーローブームの火付け役としても知られ、ドラマや映画、舞台で活躍を続ける俳優の葛山信吾さん。

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 葛山さんは、昨年11月に事務所からの独立を発表。その背景には、コロナ禍での不安と、それを支えてくれた妻・細川直美さんの存在があったといいます。

 50歳を目前に控え、今年結婚20周年を迎える葛山さんに「新たな挑戦」としてはじめたブログへの思い、そして夫婦円満のコツについてお話しいただきました!

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■「サザエさん」のような交流が断たれた今、ブログやSNSが救いに

——Amebaブログを開設して約3ヵ月。ブログを書きはじめてみて、率直な感想はいかがですか?

やっぱり、応援いただく声が直接届くのはありがたいですね。特に「舞台が決まりました」といった発表をした記事に対しては、わーっとたくさんのコメントや応援メッセージをいただくんです。

コメントがなくても、見てくれている人がいるのはわかるので、それにすごく助けられているといいますか。自分の方が元気をもらっています。

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ただ正直、ブログをはじめる前は、不安の方が大きかったんです。自分がはじめても大丈夫かな?って少し悩みました。

——そうだったんですね。ブログをはじめる前は、どのような不安があったのでしょうか?

ブログのようなSNSは、言ってしまえば誰でも見られるわけじゃないですか。僕は書くことが得意じゃないのもあって、ネットで発信することに恐怖感があったんです。

でもちょうど独立したタイミングということもあって、これもチャレンジの一環としてやってみようと。

実際、えいやっと記事を投稿してみたら、想像以上にたくさんのコメントをもらえて心強かったです。

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——普段からコメントはよくチェックされているのでしょうか?

読みます、読みます。いつもたのしみですね。

どんなコメントも嬉しいんですが、特におもしろいなと思うのは、コメントを書いてる方の思いが溢れているような文章を読んだときです。

たとえば以前、「寝るのが難しい」みたいな話を書いたときに、「私もこうなんです」とか「自分はこれに悩んでて……」といったコメントを多くいただきました。溢れる共感もまたうれしいです。

——ブログをはじめてよかったと思うことはありますか?

正直、“俳優として”でいうと、プライベートや私生活を出しすぎるとその印象が先行して、マイナスになってしまうんじゃないかと思ってたんです。でもコメントを読むなかで、やってみてよかったなと実感して。

ちょうど東京公演を終えた『舞台 サザエさん』に臨むなかでも、こういったネットでのやりとりって、ものすごく救いだなぁと思ったんです。

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——『サザエさん』で……!それは、どういうことでしょう?

『サザエさん』の世界では、磯野家はもちろん、伊佐坂先生のようなご近所さんとの交流が当たり前に描かれているんです。

でもコロナ禍になってからは、それを避けるようになったじゃないですか。知り合いと立ち話をするとか「家でお茶しませんか?」ってことが、今はしにくいですよね。配達も『サザエさん』なら三河屋のサブちゃんが家まで来てくれるけど、今は“置き配”にする人も多くて、顔も合わさない。

そういう日常的だったはずの人との交流が断たれてしまった今の時代に、ブログやSNSがあってよかったなと思いました。

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僕自身、ブログでいろんな方から応援コメントをいただけて救われています。

■コロナ禍で仕事が激減「自分は役者しかできない」と痛感

——改めて、昨年末のタイミングでAmebaブログを開設した経緯を教えていただけますか?

ブログをはじめたきっかけは、昨年11月に事務所から独立したことです。

それで新しいことにチャレンジしたい思いが強まったのと、あとはファンの方に「生きてますよ」と生存報告をお知らせできれば、という思いでブログをはじめました。

コロナ禍で仕事が減ったなかで情報発信がないと、ファンの方を心配させてしまうかなと。

独立もブログも、コロナの影響はかなり大きいですね。

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——そうなんですね。コロナ禍によって、生活が大きく変わったと。

結婚してからは舞台を主軸にしてきたので、コロナの影響をもろに受けたといいますか。2020年には、ずっと稽古をしていた舞台が2つ続けて中止になりました。

生活の基盤でもある舞台が中止になることは、お金が入ってこないことでもあって。今の事務所の居心地の良さに甘えていてはだめだと、自分から何かしていかなければと踏ん切りがつきました。

——自分のキャリアを見直すきっかけにもなったんですね。

果たして今の自分に何ができるだろう?と考えてみたら……何もできないんです。自分は、台本をいただいて役を演じることしかできないと痛感しました。

実は、アルバイトも検索してみたんですけど、年齢や性別を打ち込んで検索してみると、今の僕にできることは全然でてこなくて……。

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——アルバイトを探されたんですか…!?

ふと思い立って、検索してみたんですよ。不安になっている僕の横で、妻は「こんなのあるよ」とか「私はこのペルシャ絨毯の販売員やりたいな」とかって、たのしそうにしてましたけど(笑)。

僕は、どちらかというとマイナス思考になりがちなんですが、妻は明るくて全く落ち込まないんですよね。相談には真剣に答えてくれつつ「なんとなかなるわよ」と言ってくれた妻には、かなり助けられました。

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——独立の話も、細川さんに相談して決意されたんですね。

そうですね。「いいんじゃない?」と背中を押してもらいました。

妻には、人生の方向性を左右するようなことは必ず相談してます。仕事でもいろいろな意見をもらっていて。

たとえば、舞台の最終リハーサルを見てもらって「今日の演技どうだった?気になるところあった?」と訊くのは、結婚してからもずっとやってますね。

——細川さんは、仕事のうえでもいいパートナーでいらっしゃるんですね。

家で妻に読み合わせしてもらうと、お笑いになっちゃうんですよ。途中でふざけてセリフと全然違うことを言い出したりして「練習にならないよ」って(笑)。

■日記のように綴られる家族の思い出

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——細川さんのブログにも葛山さんにまつわる投稿があって、ファンの間では話題になっていますよね。それはどうご覧になってますか?

妻のブログは、自分を応援してくださってるファンの方も見てくださってるんですよね。そこで自分の写真や話題が出るのをたのしみにしてくれている方々がいるのは、ずっと感じてました。

ただ独立前は、そのブログに出るのにも、事務所にちょっと気を遣ってたんです。事務所側は寛大なのでそれでどうこうってことはないんですけどね。

でも、今はもう自由ですから(笑)。僕自身も、妻のブログに出るのをたのしめたらと思います。

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——それはたのしみです! 

妻がブログを7年も続けてくれているので、昔を振り返って何をしていたかわかるし、家族の思い出の写真をまとめて見ることができる。そうやって日記のように子どもたちの成長が残るのはいいなと。

——ご家族の日常の一部を日記のように見せてもらえるのは、読者としてもうれしいです。

そうなんですね。自分もブログをはじめたことで、家族との何気ない出来事や、ふと思ったことを文章にするたのしさを知ることができたように思います。

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たとえば「(車で送迎するときに)子どもが後ろの席に乗っちゃって寂しいな」とかって、本当にちょっとしたことじゃないですか。日常的なことだから書き残したりしないし、これまで人に話してもこなかったんです。

でも最近は、そんな何気ないことにもアンテナを張るようになりました。

——葛山さんは今年結婚20周年を迎えられるとのことで、ぜひ夫婦円満のコツについてもうかがいたいのですが……。

ふふっ、でもあの人、結婚記念日忘れちゃうんですよ(笑)。

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——えっ、そうなんですか!(笑)

家族全員の誕生日はちゃんと覚えてるし、結婚記念日も近くなると「もうすぐだね」って話してるのに、10月20日の当日だけはちゃんと忘れるんです。

年のように忘れるから、もうおもしろくて(笑)。

だから毎年僕から言うんですけど、当日は特別なことはしてなくて、お互いに「今後ともよろしくお願いします」って言い合うくらいです。

——そういったことで、喧嘩にはならないのでしょうか?

喧嘩はほとんどないですね。結婚生活で大きな喧嘩をしたのは、2回くらいだと思います。

妻も僕に何か言われてイラッとすることはあるでしょうし、僕もあるのかもしれないですけど……。いや、やっぱりそんなにないかなぁ。

これまでの結婚生活で、いろんなことに慣れたというのは大きいですね。よく変わったことが起こるので、むしろたのしめるようになったというか。

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たとえば、まだ子どもが数ヶ月だった頃、妻が炊いたはずのお米が炊けてなかった日があったんです。

炊けた合図の音で僕がフタを開けたら……。炊飯器の真ん中に置いた容器で離乳食用のおかゆだけできてて。その周りは、炊けてないただの米なんですよ。要は、水を入れ忘れちゃったんですよね。

それを見たときは、「ん?えっ?なに?」って。一瞬じゃ理解できなくて、笑っちゃいました。

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結婚前はそこまで気づかなかったんですが、そういう「なんでそうなる!?」っていう天然な部分が結構あって。

布団入った瞬間に「明日はさ……」って話しかけたら、もう寝てるとかね。そのときなんて、布団に入ってまだ2秒ですよ!?(笑)

——(笑)。そんな可愛らしい一面もあるんですね!

とはいえ、もちろん妻は本当に感謝しています。バレンタインなんかも、毎年子どもたちと一緒にケーキを作ってプレゼントしてくれていて。子どもたちといい関係性でいられるのも、妻のおかげです。

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ケーキは「パパにあげる」と言いながら、みんなで食べるんですけどね(笑)。

——微笑ましいですね。最後に、今年50歳の節目を迎えるにあたってのどんなことに挑戦していきたいですか?

もちろん俳優の仕事は続けていくんですが、今後はそのほかにも、自分がたのしめて、人にも喜んでもらえることに挑戦したいです。

そういう意味で、ブログはまさにその第一歩ですね。ブログも含めて、演じる以外の部分でも、人との交流を図れる何かを形にしていけたらと考えています。

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