コロナ禍に伴い、キャッシュレスやメタバースなどの非接触技術に注目が集まっている。東京ドームでは、グッズや飲食物の購入は現金NG。コインロッカーもキャッシュレスで決済し、売り子から買うビールももちろんキャッシュレス。中には「バーチャルオフィス」を導入した企業もあり、2000社以上が導入、6万人近くが働くバーチャルビルも登場した。さらに、バーチャル空間で“メタバース婚”をしたカップルまで……。
【映像】「メタバース婚」自由すぎる“VR結婚式”の様子(12:15ごろ〜)
今後、非接触テックはどこまで進むのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』では、実際にメタバース婚をしたジョバンニさんとコマチンさんがリモート出演。バーチャル空間で知り合い、結婚した2人は「ゲーム内でVRのFPSゲームがあった。その中で一緒にプレイをしていて、仲良くなった」と出会いを語る。
当時、ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)という、敵を倒して最後まで勝ち抜くサバイバルゲームを一緒にやっていた2人。毎日4時間、ゲームの中で共に戦い、始まる前後に交流して「また今度」と約束して別れる生活だった。現実で互いの姿が見えない中、どのように恋愛に発展していったのだろうか。
コマチンさんによると「ゲーム中は常に愛を語り合っているわけではない。例えば日常的に『今日何食べた?』みたいな、簡単な話をする」という。それまで2人ともネットを通じて他人と交際したことはなく、声はそのままで、ガスマスクをつけたキャラクターをアバターとして使っていた。
「1カ月くらい経ってからお互いに意識し始めた。ずっと一緒にゲームをしていれば、内面はなんとなく分かる。負けたときに悔しかったりして、そういう感情が出てくる」と当時を振り返るジョバンニさん。
ここで、2人の話を聞いていたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏が「相手がキモいおっさんの可能性もあるじゃないか。そこは大丈夫だったのか」と質問。コマチンさんは「キモいは思ったことはなかった。みんな名前をつけているので、もっと気持ち悪い名前の人はいっぱいいる」と回答した。
脳科学者の茂木健一郎氏は「科学者としてどうしても聞きたいことがある。MHCという免疫の多型性に関わる遺伝子があって、自分に近い遺伝子の人のにおいを嫌がる傾向がある。これは実際に会わないとわからない。実際に会って嫌な部分はなかったのか」と質問。もちろん2人とも嫌ではなかったという。
会う前に写真のやり取りはあり「彼女はちょっと映えてる写真を送ってきた」と話すジョバンニさん。一方、コマチンさんも「10年前くらいの写真が送られてきた」といい、初対面で「全然分からなかった」と言い返した。
バーチャルで出会った良い面を聞かれると、ジョバンニさんは「先に内面を知れたところくらいだ」とコメント。逆に会って生活してみて「予想と違った」と思った部分はないのだろうか。コマチンさんは「私は楽をさせてもらっている。逆に『こんなので大丈夫かしら』と私が心配している」といい、互いに結婚生活は全く苦ではないようだ。
バーチャル上の出会いについて、デメリットを聞かれた2人は「変な人は多い。いろんな性別があって、男が女になっていたり、いろんなパターンがある」「声を変えて女の子のフリをしているおじさんもいる」と回答。声はパソコンを通じて、ボイスチェンジできるという。怪しい人はネット上でも「だいぶ気持ち悪い感じを放っている」といい、「いい大人たちもたくさんいる。そういう大人が“あの人には近づかないほうがいいよ”と誘導してくれる」と述べた。
ジョバンニさんは「ブロックもできたりするので、その辺は安全かと思う」といい、これを聞いたひろゆき氏も「確かにストーカー化した場合、(現実よりも)オンラインのほうが安全だ。通報もできるし」と感心した。
また、VRチャットの中で親しい関係になったり、付き合ったりすることを「お砂糖」といい、別れることを「お塩」と表現される。お砂糖報告は「付き合ってます」、お塩報告は「別れました」の意味だ。
ひろゆき氏は「ファイナルファンタジーXIV(※スクウェア・エニックスが開発したMMORPG)でも結婚した人がいる」と言及。
「ファイナルファンタジーXIVでは、結婚イベントがゲームの中にある。お金を払うと結婚指輪が買えるシステムもあって、知り合った人同士が本当に結婚した話もあるので、そういう感じで他のゲームでも当たり前の文化になるんじゃないか」
メタバース恋愛、そして結婚。コロナ禍で非接触のコミュニケーションがさらに促進しそうだ。(『ABEMA Prime』より)
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