528日に渡って、日々の勉強内容をTwitterで送り続ける。傍から見れば迷惑そうに思えるこの行動が、思いもよらない物語を生みだしたと話題になっている。
「高校2年生です。行きたい大学を目指して約1年と少しだけ、日々の勉強時間や模試等の結果を記録させていただきます」。2020年9月、高校生からの突然のDM(=ダイレクトメッセージ)。受け取ったのは、小学館のライトノベル大賞で優秀賞を受賞した経験もある、作家の屋久ユウキさんだった。なぜ突然こんなDMが届いたのか。その理由について、屋久さんはこう話す。
「僕が書いているライトノベル『弱キャラ友崎くん』という作品があるんです。ゲームはすごく上手いけど、学校とかではあまり友達のいない男子高校生が、人生をゲームに例えて、その攻略方法をヒロインの女の子に習いながら、髪形を整えるとか姿勢を正すみたいな初歩の初歩から“レベルアップ”していくっていう物語です」
「作中に出てくる努力だったり攻略法と同じことやって、リア充を目指すぞ!友達いっぱいつくるぞ!みたいな『友崎くんチャレンジ』っていうのを一時期いろんな子がやっていて、それを僕が取り上げたことがあったんです」
屋久さんの作品『弱キャラ友崎くん』に出てくるリア充に向けて努力する主人公・友崎文也。彼に影響され、自らの日々の挑戦を「友崎くんチャレンジ」としてTwitter上でつづる人が相次ぎ、一時期話題となった。中には著者の屋久さんに直接メッセージを送ってくる人もおり、冒頭の高校生もその1人だったという。希望の大学を目指すという決意のもと、日々の勉強内容を毎日一方的に送ってくる高校生の熱意に応えるように、屋久さんも時折反応やアドバイスを送っていたと明かす。
「僕も今30歳なんですけど、受験はもう10何年も前みたいな感じなので。(受験が)少しずつ近づいていって、本番のために努力して、でもたまに心が弱くなったらどうしようみたいな感じも青春時代というか、闘ってた学生時代みたいなものを思い出して感情移入させられちゃいましたね」
高校生とのやり取りは500日を超え、迎えた今年の1月。受験に臨む高校生から「面接の詰め、残り1日。明日はしっかりとホテルへ行き、試験会場までの道を見てきます」というDMが届き、屋久さんもエールとともに高校生を送り出した。結果は見事合格。528日間コツコツと続けた「友崎くんチャレンジ」が実を結んだ瞬間だった。
「本当に『おめでとう』しか出てこないというか。『屋久先生がいなかったら絶対に無理でした』みたいなことを文章で書いてくれてるんですけども、やっぱり528日も誰かに送り続けて、しかも、通信制に行くことになって、中々周りにライバルもいない中で続けたって話だったので、『すごいのはお前だぞ』っていう気持ちでしたね」(『ABEMAヒルズ』より)
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