「こいこい」と右拳で相手を煽り、相手が繰り出した右を素早くかわしてから左ストレートを一閃。次の瞬間、相手は真っすぐに崩れてヒザ、さらに頭をついて“くの字”のまま失神。肉体改造の成果か、圧巻のKO劇に解説が「ヤバすぎる」「完璧」「えぐっ」と驚きの声を上げた。
4月2日に東京・渋谷の代々木第一体育館で開催された「RISE ELDORADO 2022」で北井智大(チームドラゴン)と中村寛(BK GYM)が対戦。1ラウンド開始からローで相手の動きを封じた中村が、北井の右ストレートにカウンターの左を合わせて一撃でKO。相手を挑発し、誘い込んでから振り抜いた“とどめの一撃”に場内も騒然となった。
強打が得意同士のバチバチのマッチアップ。中村はネット上が騒然となった昨年11月のYA-MANとの喧嘩マッチ以来5カ月ぶりの試合となる。対する北井も9月にYA-MANに敗れてから歯車が狂った。その後、小川翔にも敗れ2連敗中。ともに黒星からの復帰戦にかける思いは強い。
この5カ月で体を作り直したという中村は、ゴング開始から肩の力が抜け、軽快な動きから、カーフぎみの鋭いローキックの連打で相手の足を刈っていく。2発の蹴りが効いたか、北井のステップは早々にどこかぎこちない。
だらりと手を下ろし、脱力した状態でひたすら地を這うようなローを蹴り続ける中村の攻撃にバランスを崩す場面が目立つ北井はパンチの打ち合いに持ち込もうとするが、体を入れ替えられコーナー際でパンチの連打、ボディ、ヒザと一方的に中村の打撃を貰ってしまう。するとラウンド終了間際、北井が勝負をかけた右ストレートを放った瞬間に中村が絶妙なカウンターで左ストレート。
芸術的なタイミングでテンプルを捉えた高速パンチに、北井は真っすぐに落ち、ヒザ、そして顔面をついて“くの字”で崩れ落ちたまま失神してしまった。あまりに鮮烈なダウンシーンに解説は「ヤバすぎる」「完璧」「えぐっ」と驚きの声を上げ、興奮を抑えきれない様子だった。
肉体改造の成果か、まったく隙のない強さを見せつけ、完全復活を印象付けた中村。一方、壮絶ダウンを喫した北井のダメージの大きい。居合斬りのような一撃で、顔面からリングに落ちた北井は動くことができず、メディカルスタッフが取り囲む物々しい雰囲気に。しばらく北井のダメージは回復せず、担架でリングを後にした。