稲葉陽八段、元気な後輩2人を指名「最初から飛ばす」とロケットスタート宣言/将棋・ABEMAトーナメント
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 苦境に耐えて戦い続けた2年の経験を踏まえ、今年はロケットスタート作戦だ。プロ将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」のドラフト会議が4月2日に放送され、稲葉陽八段(33)は1巡目に服部慎一郎四段(22)、2巡目には重複する中、抽選で勝ち出口若武六段(26)を指名した。「年下2人と組むのは初めて。最初から飛ばしていけるチームにできれば」と、若い2人の勢いを借りて予選から突っ走る。

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 稲葉八段は、団体戦となった第3回からリーダー棋士として出場すると、第3回は山崎隆之八段(41)、佐々木大地六段(26)を指名、第4回は久保利明九段(46)、船江恒平六段(34)という先輩2人を指名した。そして3回目の出場となる今年は後輩2人。若い力を借りつつも、リーダーとして自分が引っ張るという決意の表れだ。「服部四段はデビューから高勝率を続けていますし、師弟トーナメントの時にフィッシャールールの練習を結構してもらいました。ひらめき、おもしろい発想がある」と、名前同様に“忍者”らしい指し回しを体感し、白羽の矢を立てた。

 2巡目の出口六段は同門の弟弟子で、この大会には初出場になる。直近では服部四段と叡王戦の挑戦者決定戦を制して、藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、19)への挑戦も決めたばかりだ。「早指しが非常に得意で、結構爆発力がある。安定感がないところがあったんですが、それがこの1、2年は公式戦で長い持ち時間でも短い持ち時間でも、安定して勝つようになりました。指名されるべき棋士になったので、それで重複したのかなと思います」と、指名がかぶったのも当然という評価だった。

 過去指名した4人のうち3人は先輩だったところ、今回は2人とも後輩。チームの雰囲気づくりから、稲葉八段が担うことになる。「2人とも力はあるので、戦いやすいチームにできれば、力を発揮できるんじゃないかと」。そのためにもリーダーである自分が勝ち続けて、気楽に対局してもらうのが一番だ。「去年のベスト4とかを見ても、リーダーが7割以上勝ってチームを引っ張っていた。自分自身が頑張らないと厳しいかなと感じています」と、むしろ自分が先を切って予選突破、さらには本戦での活躍への勢いをつけるつもりだ。

 稲葉八段個人としては、過去の大会でチームの連敗もカド番で苦しむことも経験済み。ちょっとやそっとじゃ揺るがないリーダーは、若手2人にとっても実に心強いことだろう。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】ドラフト会議指名結果と予選リーグ組み合わせ
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