コロナ禍も背景に?うつ状態を相談できずにいる小中学生も…孤独・孤立を感じる若い世代に大人が向き合うための心構えとは
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 国立成育医療研究センターが全国2000人以上の子どもたちと保護者を対象にしたアンケート調査で、小学5・6年生の9%、中学生の13%に「中等度以上のうつ症状」がみられたことが分かった。また、そうした症状への対応について、小学生の25%、中学生の35%が「誰にも相談しないでもう少し様子をみる」と回答、その割合は重症度が上がるほど増加することもわかった。

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 11日の『ABEMA Prime』に出演した「LightRing.」代表理事で「若者自殺対策全国ネットワーク」の共同代表も務める石井綾華氏(精神保健福祉士)は「“うつ状態”と“うつ病”には違いがあって、気分が落ち込むといった、よくある“うつ状態”が1週間以上続くことで“うつ病”と診断される。また、孤独や社会的孤立は“主観的な喪失”と“客観的な喪失”に分かれるが、今回の調査報告書から分かることは、極めて多くの子どもたちが“主観感的な喪失”の状態にあるということだ。児童・生徒の自殺者数が499人に上る(2020年)中、ますます子どもたちが本音を言える環境が失われているのだと思う」と話す。

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 「重症化すればするほど言えなくなっているという結果も出ている。周りの人による早期発見、そして早期改善につなげていくことが重要だ。ポイントは、相談事のように、解決しなくてはいけないところまで昇華されていなくてもいい、本音を話すだけでもいいということだ。その意味では、“相談があったら聞いてあげるよ”ではなくて、“何かあったら聞くからね”という、フラットな形で寄り添ってあげると良いと思う。

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 一方で、私たちは希死念慮を持っている方へのサポートというよりも、その周囲にいる友人や恋人など、声を受け止める“ゲートキーパー”と呼ばれる方々の育成・支援を主に行っているが、コロナ禍の外出自粛によって異変に気づけなかったり、休み時間に異変をキャッチして帰り道に話を聞くといった機会が失われてしまったりしているケースが増えていると感じている。実際、若者の自殺の要因も、学業不振や進路の悩みから、親子関係の不和などの家庭の問題が上昇してきている。

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 また、同じゲートキーパーでも、ネットの中、ゲームの中での関係でしか本音を言えない子どもたちが増えている。本名も知らないし、どこに住んでいるかも分からないけれど、ゲームの中でチームを組んだ相手にだけは気持ちを話せると。ゲーム依存という問題はあるかもしれないが、それによって孤立が解消されている子どもたちがいることも事実だと思う」。

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 また、周囲の大人たちの心構えについて石井氏は次のように話した。

 「まずは“大丈夫?”という声がけだ。そして、本音を言える相手になることを意識して欲しい。子どもたちは雑談の中で初めて本音を言えるのであって、初めから悩みを聞ける相手になるのは極めて難しい。“いつもの話相手”になれているかどうかを確認してほしい。そして、“そんなことで”、と言われそうな悩みを本当に聞いてくれるのかどうか?をジャッジするために、まずはジャブ的な小さな悩みから打ち明ける子も多い。

 だから初めの“悩み”は取っかかりで、話を聞いていくと、もう少し重い、本当の悩みが出てくることがある。だから気持ちを打ち明けられた大人は、決して“大したことではない”と思わないことが大切だ。また、食べられないや食べては吐くといった身体症状の問題がある場合は、病院につないでもらいたい。身体的に楽になることが気持ちが楽になることに繋がるということも覚えておいていただけるといいと思う」。

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 実業家のハヤカワ五味氏も「大人であっても報告・連絡・相談をする相手がいない人はたくさんいると思うし、そもそも相談すること自体、自分に闇があるという自覚がなければできないことだと思う。そして、“うつは心の風邪”というような言われ方をすることがあるので、“すごく落ち込んでいるけど、1週間くらい休んでたら治るでしょ”みたいな感覚で相談しない人も多いと思うが、そんなことはないと思う。骨折と同じで、適切な治療を受けなければ悪化するケースもあるわけだ。そういう認識の違いも調査結果に現れていると思う」と指摘。

 eスポーツチーム「αD」代表の石田拳智氏は「僕も中学時代に家から全く出ない時期があった。恥ずかしさもあって親にも友達にも言えなかった。やっぱり学校は趣味も価値観も合わない人たちを無理やり一つの部屋に閉じ込めて“仲良くしてくれ”と言うが、ゲームは趣味も目的も合う人たちが集まるので、喋りやすいんだと思う。僕もリアルで遊びに行く関係値になった人も多いし、リアルの友達よりも連絡を取る。悩みを打ち明けられる、言いたいことを吐き出せる場所があるのはとてもいいことだと思う」と話した。

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 また、リディラバ代表の安部敏樹氏は「先週、内閣官房の孤独・孤立に関する実態調査が出たが、実に4割ぐらいの人が孤独を感じていて、それは若い世代でより顕著だ。しかも未成年になると成人よりも実態の把握が難しい。やはり予算をつけてフォロー、予防をしていかないといけない」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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