こだわりのルーティンに、おもしろエピソードが潜んでいた。4月16日から本大会の模様が放送される将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」。これに先駆け、予選Aリーグに参加する永瀬拓矢王座(29)、増田康宏六段(24)、斎藤明日斗五段(23)の3人による「チーム永瀬」のチーム動画が公開された。結束力を高めるべく、大会恒例となっている動画収録だが、チーム名「川崎家」の名のとおり、永瀬王座の父が経営するラーメン店でロケを実施。ここで永瀬王座に関するクイズが行われたが、思わぬこだわりが明かされることになった。
「川崎家」は、今は将棋ファンの中では超有名店と言えるほどの認知度を誇る。昨年の大会では予選、本戦と2回、チーム動画の収録をしたが、どちらも川崎家店内で撮影したもの。うち1回はオリジナルCMにも挑戦した。今回は通算3回目という収録もあり、永瀬王座の父・宏さんもクイズの出題役として参加。リーダー永瀬王座について3大会連続で指名された増田六段、今回から新参入した斎藤五段がどれだけ知っているかが試された。
その中で難問として出てきたのが、永瀬王座が「奨励会の前に必ず寄っていた所」というもの。四段昇段は、17歳0カ月という当時としては4番目の年少記録だったが、それを支えたのが、このルーティンだったようだ。増田六段が「コーヒー屋。永瀬リーダーは、かなりコーヒー好きなので」、斎藤五段が「駅のキヨスクでスポーツ新聞(を買って)の詰将棋欄を全部解く」と答えたところ、本人は「きつねうどんを食べる」と解答。正解は「品川の駅で立ち食い蕎麦屋に寄る」だった。
この答えの説明として宏さんは「天ぷらうどんを食べていたんですが、天ぷらを残すんです。(毎回行くので)顔を覚えてくれまして、天ぷらを残すかわりに、天かすがおいしいからと、サービスで入れてくれるようになりました」と補足。天ぷら自体が食べたいわけではなく、絶妙な油や具材の旨味が欲しかったのだろう。
これを聞いた増田六段が「天ぷら、残すんですね」と笑うと、永瀬王座も「食べられなかったんでしょうね」と他人事のようにコメントしながらにっこり。動画を見たファンからは「めっちゃおもしろかった」「笑い堪えるの必死だった」と、笑いに満ちたコメントが多く寄せられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)