チーム永瀬が開幕戦勝利!3年連続本戦へチーム羽生との熱戦制す/将棋・ABEMAトーナメント
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 今年もこのチームは力強い。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第1試合、チーム永瀬とチーム羽生の対戦が4月16日に放送され、チーム永瀬がスコア5-3で競り勝ち、今大会初勝利を挙げた。永瀬拓矢王座(29)が羽生善治九段(51)とのリーダー対決を1勝1敗とすると、3大会連続でチーム永瀬に入った増田康宏六段(24)が個人3連勝。新加入の斎藤明日斗五段(23)も、悪戦苦闘しながら自身3戦目で勝ち、チームの勝利を決めた。自力も勢いもある20代の3人組。本戦出場に視界は早くも良好だ。

【動画】勝利を振り返るチーム永瀬

 勝負は勝つからおもしろい。若さゆえのぎらつきのようなものも感じさせるチーム永瀬が、レジェンドが率いるチーム羽生に競り勝った。大会としても開幕局となる第1局を任されたのは永瀬王座が信頼を寄せ、3大会連続してドラフト指名した増田六段。本人も「永瀬リーダーの信頼を得たのかなと(笑)。とても手強い方たちですが、自分もかなりフィッシャーの経験値はあるので、そこを活かしたいです」と頼もしかった。その言葉どおりに公式戦では分が悪い佐藤紳哉七段(44)を相手に相居飛車の力戦形から、鋭い指し手を連発。寄せ付けない強さで77手で快勝した。その後、第4局でも佐藤七段を下すと、第7局でもこの日同じく2連勝だった中村太地七段(33)と相雁木の将棋となると、ここでも好調を維持。79手で一気に勝ち切った。

 頼れる後輩の活躍にリーダーも、落ち着いて徐々に感覚を取り戻した。第3局から登場した永瀬王座は、羽生九段とのリーダー対決に臨むと、序盤からプレッシャーをかけたものの、うまくしのがれ惜敗。ただ再戦となった第6局では、先手番の羽生九段が珍しくひねり飛車を選んだところ、慌てずに対応。「徐々に去年の感覚というものを取り戻しました」と最終盤に入っても焦らず指し進め勝利を収めた。

 新加入の斎藤五段も、冷や汗をかきながらもなんとか結果を出した。第2局、第5局ともにタイトル経験もある実力者・中村七段と対戦。どちらも熱戦にはなったものの大会初勝利は得られなかった。先輩2人が勝利を挙げており、3人集まる作戦会議室でもひしひしとプレッシャーを感じる時間が長くなっていた。スコア4-3とチームの勝利に王手がかかった状態で出場した第8局は佐藤七段との対戦。「まだいいところが出ていないので、なんとか1勝したい」と公式戦並みかそれ以上の緊張した面持ちで盤に向かうと、その気持ちが実ったのか最終盤の詰むや詰まざるやのせめぎ合いを制し、ついに初勝利を挙げた。「最後はこちらの王様が詰んでもしかたなかった。何が何でも勝ちたかったです」と、リーダー永瀬王座の勝利への執念を引き継いだかのような戦いぶりだった。

 チーム永瀬は例年メンバーを変えつつも初の団体戦となった第3回は優勝、第4回はベスト4と上位の常連になっている。そして今年も接戦ながら初戦をものにした。次のチーム三浦では勝利か9本勝負で4本取れば本戦出場が決まる。また今年も真剣勝負に徹する、そんな戦闘集団が突き進む。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】勝利を振り返るチーム永瀬
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【動画】個人3連勝について語る増田康宏六段
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【動画】斎藤明日斗五段がしのいだ17回連続王手
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