将棋界のスーパーレジェンドのニコニコ笑顔に、癒されるファンが続出している。早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第1試合、チーム永瀬とチーム羽生の対戦が4月16日に放送された。羽生善治九段(51)は3大会連続でリーダーを務め、今回は前回と同じく佐藤紳哉七段(44)、中村太地七段(33)という3人でチームを組んだ。盤を離れればにこやかな羽生九段だが、今回は同じメンバーという慣れもあるのか開幕戦から、さらににこやかな雰囲気が満点。これにファンから「仲ええなw」「羽生さん楽しそうでいいね!」といった声が集まることになった。
対局中には、若きころは「羽生にらみ」とも言われるほど厳しい表情で、今でも集中するほど頭をかくような仕草もすることから、髪が乱れることも多い羽生九段。それでも盤を離れればファンだけでなくメディア関係者にも丁寧な対応をすることで知られ、最近ではInstagramやTwitterといったSNSでもファンへ話題を提供している。昨年度は、プロ人生初の年度勝率5割切りなど苦境に立たされもしたが、今年度の巻き返しは本人が一番強く思っているところだろう。
このABEMAトーナメントでは、若手有利と言われる超早指しのルールが採用されており、羽生九段も苦戦する将棋が多かったが、仲間と戦う楽しさが3年目になりさらに増したのか、強敵・チーム永瀬との対戦でも、笑顔が絶えなかった。たとえば第1局、チームメイトの佐藤七段が相手のエース・増田康宏六段(24)と対局していた時のことだ。増田六段から次々と若い感性を見せる指し手が続くと「なるほど。もう何をやればいいかわからない」と注目。さらに予想外の手が出たところでは、中村七段と一緒に「へー」と何度も声を合わせた。
このほか中村七段の対局時には、考えていなかった一手に「へー。そういう手は指さない人だと思っていた。あんまりこういう手を指さないイメージがあるんだけど、太地君は」と素直に感想を漏らすと、勝負どころで今度は佐藤七段と一緒に「うおー」。また形勢不明な混戦に突入すると「え、え、え。ちょっと大変になっちゃった」と慌てる様子まで見せていた。
試合自体はスコア3-5と惜敗し、次のチーム三浦戦には予選突破・敗退がかかることになったが、リアクション対決では羽生九段が“圧勝”。普段見られない羽生九段の様子が少しでも多く出るためにも、予選突破を望むファンの声も多かった。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)