「ウィズ・コロナの状態で、マスクを外す時期が日本に来るとは思っていない。終息が来ると分かった時点で、初めてマスクを外していいと思う」(日本医師会・中川俊男会長)
【映像】“ノーマスク”で鉄道に乗る米・ニューヨークの人々(現地の様子)
20日、マスク着用緩和の動きに否定的な考えを示した日本医師会の中川俊男会長。
一方で、海外では「脱マスク」の動きが加速。アメリカではすでにマスク姿が珍しい状況になっている。18日には、公共交通機関におけるマスク着用義務は違法とする判決がフロリダ州連邦地裁で下され、航空会社や鉄道、配車サービスなどが次々とマスク着用義務を解除した。
イギリスでも1月に公共施設などでマスク着用義務が撤廃された。今や多くの市民が当たり前のようにマスクなしで出歩き、パブで楽しむ姿も見られる。
日本はいつまでマスク生活を続けるべきか。ニュース番組『ABEMA Prime』では、専門家とともに改めてマスクの必要性について考えた。
ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「要はマスクがどうこうではなく、どれだけ死ぬのを受け入れるかだと思う。フランスでは、みんなほぼマスクをしなくなっていて、室内でもしない人がほとんど。それでも新型コロナウイルスで亡くなる人は1日100人以上いる。それも毎日だ。感染者数も数万人が毎日続いている。『新型コロナで死ぬ人はいる。でも人生はいつか死ぬ。それなら普通に暮らした方がいいよね』と考える人たちが多数派になるかどうかだ。だから、マスクの問題ではないのではないかと僕は思う」と述べる。
感染症対策コンサルタントで看護師の堀成美氏は「人の数だけ意見がある」とした上で「ニュースを見て、なぜこの方(日本医師会の中川会長)に意見を求めにいったのかなと思った。元々この方が、あるいはお医者さんが言っていることが妥当だと思う人は、そのまま受けてもいいと思う。“私としては”すごく違和感があった」とコメント。
実業家のハヤカワ五味氏は「批判されないためにマスクをやっている人がやっぱり多い印象がある」と話す。
「それこそ街中や電車の中でマスクを外していると、水でずぶ濡れになっている人と同じような扱いを受ける。ちょっと距離を感じるみたいな。それがたぶんみんな嫌だ。『他の人を不快にさせないように』という部分がすごく大きいと思う。もし仮に感染症が収まったとしても、明日からスパッとマスクをやめられるかと言ったら、そういう話でもないのかな」
お笑いコンビ「NON STYLE」の井上裕介は「言葉選びが下手だ。なぜ、ネガティブな言い方しかできないのか」と、中川会長の発言に疑問を浮かべる。
「3回目のワクチン接種率が何パーセント以上になったら外せる未来があるとか、そういう言い方をしていない。言い方に希望を与えるだけでも、動く人は出てくると思う。ゴールデンウィークを前に、少しきつい言い方でグッと(気を)締めたかったのだろうと思う。新型コロナに限らず、風邪もインフルエンザもマスクしている方がいい。でも、新型コロナがなかった頃はマスクをしていなかった人もいたわけで」
井上の指摘に、堀氏も「たとえば『高齢者が多くいる場所や、ワクチンを打っていない人が多くいる場所ではマスクをつける』といった条件を出せば、みんなが少し分かりやすくなる。日本は『マスクが良いか悪いか』や、『そう考える人が許せない』みたいな話にいきやすい。感染対策のためにやっているのか、安心のためにやっているのか、人に批判されないためにやっているのか、そろそろ整理した方がいい」と述べる。
一方で、中には喉のケアや肌を乾燥させないためにマスク生活を選ぶ人もいる。堀氏は「たとえば、喉に湿気があっていいとか、お肌の潤いにいいとか。だから、批判めいた議論にしないほうがいいと思う。お互いに批判しないようにしないと、幸せになれない気がする」と、新型コロナが流行する前から“マスクが好きな人”に言及。
具体的にマスクをやめる基準は決められないのだろうか。堀氏は「数字で決めるなら、ワクチン接種率が正確で一番分かりやすい」という。これにはひろゆき氏も「『ワクチンの接種率が8割超えたらマスクをやめよう』のほうが全然合理的だと思う」と同意。ひろゆき氏は「弁護士会は弁護士が必ず所属しないといけないが、医師会は任意で所属しなくてもいい団体」とした上で「日本医師会の中川会長が言うと『日本のお医者さんはみんなこう思っている』と勘違いする人が多い」と指摘。「変な誤解をメディアが垂れ流すのはどうかと思う。ある種、これはメディアの問題だ」と語った。
また、番組の中で、さまざまなシーンごとに「マスクは必要か、不要か」といった議論になると、ひろゆき氏は「必要かどうかの話ではない。つけたい人はつければいいし、私は必要ないと思う人はつけなければいい話。マスクを推奨するかどうかだ。『このシーンはマスクが必要』と書かれると『メディアが必要と書いたからつけなければいけない』とマスク強制派が増えてしまう。だからメディアも言葉遣いをちゃんと変えていった方がいいと思う」と答えた。
さらに視聴者の「個人的には夏はしんどいから外すケース多くなる気がする」といったコメントに、ひろゆき氏は「夏の甲子園は逆に『マスクを着けないでください』と言った方がいいのではないか。熱中症のほうがよっぽどヤバい」と発言。
夏になれば「屋外ではマスクを外しましょう」というアナウンスを流すことも可能なのだろうか。堀氏は「できる」と回答。「距離が空いていれば合唱も問題ない。スタンドで応援する人たちも、距離を今までよりちょっと空けて、マスクなしでやるのはありだと思う」と語った。
ひろゆき氏は「結局、自分の判断に自信を持てない人が日本人に多い。でも、夏になったらさすがに日本人も気づくのではないかと思う。ワクチンを打った以上、誰を守るためのものなのか。みんながみんなマスクをする、飲み会もしないようにする、学校でもしゃべらないようにする。それを誰のためにやっているのか。自分の人生が大事なのか、会ったこともない他人のために頑張るのか。どっちが大事か考えればいいのではないか」と意見を述べた。
新型コロナの流行によって当たり前になったマスクの着用。将来的にマスク生活をどれくらい続けるべきか、議論が進められている。(「ABEMA Prime」より)
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