秀岳館の生徒による動画アップと削除、そして監督のテレビ出演…「問題の本質はあくまで大人による校内での暴力行為。それは第三者の介入がなければ解決しない」
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 高校サッカーの強豪校、秀岳館高校(熊本県八代市)の対応に波紋が広がっている。

 発端はサッカー部員がSNSに投稿した、男性コーチ(30代)が3年生の部員に殴る蹴るの暴行を加える動画だった。ほどなく削除されたものの、動画を入手したマスメディアが報じたことで学校に対し非難が殺到した。すると22日、サッカー部の公式SNSに新たな動画が投稿された。有志だという11人の部員が名前と顔を出した上で「コーチを馬鹿にするような発言をしたのが原因だ」などと経緯を説明、自分たちに非があったと謝罪した。(この投稿も削除済)。

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 25日には学年ごとの集会で生徒に経緯説明がなされたというが、それに先んじてサッカー部の監督が日本テレビ系『スッキリ』のスタジオに生出演したことに対し、学校・サッカー部としての公式な声明や会見の前に単独で見解を述べたことに非難の声が上がっている。

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 学校の危機管理に携わる「スクールポリス」の佐々木雄希代表は「テレビに出たということは、謝罪の相手が生徒よりも世間で、騒動を早く収めたいという思いがあったのだろう。しかし問題の本質は、生徒が動画を投稿したことよりもコーチが暴力を振るったことだ。それにもかかわらず、動画が世に出た経緯やテレビ出演の内容がピックアップされてしまっている。問題が起きて5日が経過しているが、その間、生徒たちは本当に苦しい思いをしていると思う。そのことを考えれば、やはり生徒や保護者への対応よりも前にメディアに出て世間に謝罪、という形には至らなかったのではないか。やはり学校の中に第三者的な、客観的な視点が欠けてしまい、収拾がつかなくなっていいるのではないか」と指摘。

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 カンニング竹山は「生徒たちに悪気はなかったのだろうが、SNSに勝手に上げてしまったのは社会的にはちょっと違うぞ、ということだと思う。監督も、世間が騒ぎ出したから東京まで出てきて全国放送に出ようと思ったのだろうが、記者会見もできたのに、という疑問は残る。サッカー強豪校だし、大きな大会と繋がっているテレビ局だから、といった背景もあったのかも知れない」と指摘。

 その上で、「どんな理由であれ、暴力行為があったのは事実。この問題は追及されなければいけないと思うし、この組織のやり方だと根本は変わっていない。ただ、そもそも生徒たちは未成年だし、彼らからサッカーというスポーツを取り上げるようなことになってはダメ。そこは守ってあげないといけない。今回のケースでは監督がテレビに出たことによって、動画をアップした生徒たちが追い詰められてしまうことになるかもしれない」とコメント。

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 また、実業家のハヤカワ五味氏は「生徒たちは“これで部活が活動停止になったらどうしよう”“試合出られなくなったらどうしよう”と気にしてしまうものだと思う。この流れを止める人はいなかったのかな、と思った。これが企業であれば社内外にいるリスク管理の担当者が謝罪まで含めて手配りするのではないか」とした。

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 少年野球チームにも関わるリディラバ代表の安部敏樹氏は「生徒たちが恐れるのはそこだ。だから空気を読んでしまう。そして、普通に考えたらあり得ない、会社だったらあり得ないと思うだろうが、学校ではこういうことがまだまだ起きる。やはり外部からの介入が少ないので、基本的に自分たちの身を守るための行動を起こしやすいからだ。これが生徒同士の問題で、たまたま目が届かなかったということはあるかもしれない。しかし今回は指導する側の大人が暴力を奮っているわけで、これが学校の外で起きていたら暴行・傷害事件になっていただろう。でも、こうして動画で出てこなければ、誰にも知られなかったかもしれない。その意味では、今回の問題も第三者の介入がない限り改善されていかない」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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