亡くなった“大切な人との今”を写真に 制作者が活動を始めたきっかけ「亡き父との家族写真がなかった」
亡くなった大切な人との“家族写真”
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 写っている全員が笑顔の家族写真。ただ、1人だけはイラストで描かれている。

【映像】亡くなった大切な人との“家族写真”

「父親というのが自分の先輩のカメラマンさんで、お世話になった先輩でお子さんが2人いますが、次男がおなかの中にいる時に亡くなられてしまった」

 亡くなった大切な人と、もう一度家族写真を撮ろう。そんなコンセプトで、カメラマンの渡邉力斗さんがイラストレーターのアツダマツシさんとともに立ち上げたのが、“大切な人とのいま”を形にするという企画だった。

 撮影することが叶わなかった4人揃った姿を写真とイラストによって実現した。

「自然な笑顔を撮影させて頂けたらと思い、「お父ちゃんがそこにいると思って」というのはこちらから伝えて、ほんとにありのままの笑顔を撮影させていただいた感じです。長男君が、自分から父ちゃんと手をつなぐといって、自分から手を差し出して、手を伸ばして、映ってくれて、自分たちもその思いに応えて、お父ちゃんの写真と手をつないでもらってという感じで作りました」

 完成した家族写真を見て長男は「お父ちゃんの写真ありがとう」と喜んでくれたという。

亡くなった“大切な人との今”を写真に 制作者が活動を始めたきっかけ「亡き父との家族写真がなかった」
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 こちらは7年前に突然の別れが訪れたカップルの2ショット。共通の趣味である音楽をテーマに、思い出の地である阿蘇山で撮影された。つらい思いを乗り越え、今はカメラマンとして活躍する彼女のそばで、応援してくれている。そんな2人の姿を形にしたという。

 気休めかもしれない。それでも誰かの救いになれればという思いで今後も作品作りに取り組んでいきたいと渡辺さんは話す。

「自分自身が、父親を病気で亡くしておりまして、家族全員で写っている写真が1枚もなくて、それがすごい心残りというのもあって、カメラマンという仕事につきまして。家族を失って、大切な人を失ってその写真が撮れなかったこと後悔するという人っていうのはたくさんいるのかなっていうのは、思っていて、この活動にたどりつきまして、活動を始めたっていう感じです」

(『ABEMAヒルズ』より)

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