ムエタイ美女ファイターのMMA転向となるデビュー戦は、パワーで圧倒しての秒殺ショー。しかし、決着の直後に表情を一変させると極めた選手を抱っこして「I did it!」 と絶叫し、振り回すという過剰な喜びパフォーマンスに困惑の声が殺到。解説陣からも「負けた選手に絡まないであげて」と苦言が飛び出した。
5月20日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE 157: PETCHMORAKOT VS VIENOT」。ナット・ジャルーンサック(タイ)とゼバ・バーノ(インド)の一戦は、ムエタイからMMAに転向した元ワンダーガール・フェアテックスことナットが、試合開始86秒、見事な腕十字で一本勝ち。衝撃のMMAデビューを果たした。しかし興奮のあまり勝利後に敗者を抱き抱える罰ゲームのようなパフォーマンスには「可哀そう」と対戦相手への同情の声も寄せられた。
元ONEムエタイの“強カワ”プロスペクト、ワンダーガール・フェアテックスとして期待されていたナットが、ジム離脱を機に改名。さらにMMAに転向後、最初の試合に臨んだ。相手のゼバはインドでキックやウーシューのアマチュア王者になった実績もある選手でONEデビュー戦だ。
ゴングとともにナットが大きな体格を活かして飛び込むと、一気に相手を制圧。ムエタイ戦での首相撲を彷彿とさせる力強い組みからヒジを叩き込むと、ゼバも立ち技系出身の意地を見せて離れ際に一発を返す。それでもナットはジワジワと相手を追い詰めると、首相撲から相手をねじ伏せて腕十字。腕を完全に伸ばされたゼバはたまらずタップ。試合時間はわずか86秒という圧巻のMMAデビュー戦となった。
MMAでの再デビュー。さらに圧勝劇に喜びを爆発させ、気持ちが昂ったナットは、敗者を抱き抱えて「I did it!」と絶叫。可哀そうなのは敗れたゼバ。なぜかハイテンションの勝者に抱っこされ、タップに続き、苦笑いを浮かべながら振り回されるという二重の屈辱を味わうこととなった。
そんな光景にABEMAで解説を務めた大沢ケンジが「勝った選手が興奮して、負けた選手に絡むのは止めた方がいい、絡まないであげて」と敗者の気持ちを察してやんわりと苦言を呈した。そして実は、ゼバはこの日がプロ初の敗戦。その事実を知った視聴者からも「うざいタイプの喜び方」「早く降ろしてあげてー」「抱っこやめて」「これは屈辱だ」と軒並み大沢の苦言に同調する困惑の声が多く寄せられていた。