これも愛ある後輩いじりだ。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Bリーグ第2試合、チーム菅井とチーム斎藤の対戦が5月21日に放送されたが、この中でチーム菅井の久保利明九段(46)が両チームの若手棋士たちとの思い出を語るシーンが映された。チームリーダー菅井竜也八段(30)とは付き合いも長いが、小学生時代の出会いについて「一切覚えてない」と笑って明かし、ファンの爆笑を誘った。
久保九段は関西出身の振り飛車党。タイトルも棋王3期、王将4期の計7期を獲得しており、振り飛車を指す若手であれば一度は憧れるような存在だ。「捌きのアーティスト」という異名を持つが、最近では口元にたくわえたひげの効果もあってか、ダンディーな様子がファンの好評を得ている。
最初に思い出を語り始めたのは菅井八段の方だった。久保九段の対局をチームメイトの佐藤和俊七段(43)と見守りながら「久保先生には中学生くらいの時に初めて指してもらったんです。僕が奨励会初段の時です」と話し始めた。菅井八段も同じく振り飛車を使いタイトルを獲得、現在は順位戦A級棋士でもある。久保九段の背中、さらには棋譜を見て、もっと強くなりたいと思っていたことだろう。
ところが“後手”の久保九段から出てきた言葉は、まるで正反対。菅井八段の対局を見ている最中「小学生名人の決勝で解説していてさ」と佐藤七段と雑談を始めると「佐々木君の応援に石田先生が控室に応援に来ていたのが、すごく印象に残っている」と、対戦者であるチーム斎藤・佐々木勇気七段(27)のことを、その師匠である石田和雄九段(75)が熱心に応援していたというエピソードを紹介した。さらには「菅井竜也のことは一切覚えてない。『サイン、もらいましたけど』って言っていたけど覚えてない」とニヤリとした。
第3回大会、リーダーだった久保九段は菅井八段をドラフト会議で指名、今回は逆に菅井八段が久保九段を指名するという仲のよさもわかるネタに、ファンからは「昔話いいなあw」「凄い思い出」「忘れられた菅井」「久保さんが解説だったんだ」「覚えてないんかいww」といった笑いの声が聞かれていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)