想定外の頭脳戦にトップ棋士たちが大苦戦した。4月16日から本大会の模様が放送されている将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」で、豊島将之九段(32)、深浦康市九段(50)、丸山忠久九段(51)の3人がチームを結成。団結力を高めるためのチーム動画の収録に参加し、「横文字禁止ボウリング」に挑戦した。ボウリングのスコアではなく、カタカナ用語を多く発した人が負けという難ルールに3人は四苦八苦。ファンも「夜中に大笑いしちゃった」「これはしゃべったら負けなのではww」と大爆笑した様子だった。
超早指し戦攻略のカギは集中力にあり。リーダーの豊島九段が大会参加を前に設けたのは「横文字禁止ボウリング」だった。ボウリングを「球投げ」、ストライクを「満点」などカナカナ用語を使わないよう高い集中力が問われる。最も苦戦したのは深浦九段だった。プロ生活30年超のベテランで、獲得タイトルは王位3期、一般棋戦優勝10回。藤井聡太竜王との公式戦を3勝1敗と勝ち越していることから「地球代表」との異名も。将棋への情熱と、解説時やイベントでの物腰柔らかな語り口調で多くのファンを魅了している。今回のゲームでは最下位者が「プレー料金一式お支払い」と決められており、深浦九段は早速チームメイトに心理戦を仕掛けに出た。トークも将棋同様アグレッシブな姿勢を見せるも、深浦九段は「スコア」「チーム」とカタカナ用語を連発。「これ、一番しゃべる人がダメなやつだ!」と気づくも時すでに遅し。自ら策に溺れてマイナスポイントを重ねていった。
チームの親睦を深めることが目的とあり、休日の過ごし方や新幹線移動中の過ごし方など次々にトークが展開。しかし、丸山九段はトレードマークの笑顔で深浦九段の“猛攻”を回避した。豊島九段も趣味のバスケットボール観戦を「球入れを見ています」、さらに休憩時間に注文したバナナジュースを「永瀬(拓矢王座)さんが好きなもの」と言い換えるファインプレー。ガーターとした丸山九段の一球も「端攻めですか!」と将棋用語を駆使して難所を切り抜けた。
一進一退の心理戦が続いたが、最下位は深浦九段に決定。「確かに自覚があります」と罰ゲームを受け入れた。豊島九段にとっては“3度目の正直”で今期こそ予選突破が命題。ドラフト指名時には接点がなかったという3人だったが、難ゲームを通して結束力を高めた様子だった。色違いのボウリングウエアに身を包み、普段見ることができないボウリングを楽しむ姿にファンも大興奮。「年上の先生方とわちゃわちゃする豊島先生の笑顔が尊い」「最下位だけど深浦先生がMVP!」「丸山九段めっちゃ楽しそう」と多数の声が寄せられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。(ABEMA/将棋チャンネルより)