就任後、初の来日となったバイデン大統領。岸田総理との首脳会談後の会見で、「台湾を防衛するために直接関わるか?」と記者に問われ「YES」と踏み込んだ回答をしたことが話題となっている。24日の『ABEMA Prime』に出演した東京大学公共政策大学院の鈴木一人教授はこう話す。
【映像】バイデン氏 "台湾防衛発言"は失言?
 「バイデン大統領が“軍事的に関与する”という発言をするのはこれが初めてではない。過去にもホワイトハウスが“台湾政策はこれまでと変わらない”と一生懸命火消しをしていて、今回もすぐにホワイトハウスやオースティン国防長官が“我々は政策を変えていない”と打ち消した。もちろんアメリカ軍の最高司令官であるバイデン大統領がそのように考えているというのは大事なことだし、個人的な思いもあるのだろうが、簡単に変わるというものではない。
 
  その一方、アメリカはこれまで台湾を助けるのかどうかをはっきり言わない“あいまい戦略”を採ってきた。バイデンさんが“助ける”と言い、ホワイトハウスは“今までと変わらない“と言う。つまり“介入してくるかもしれない”と中国に思わせ、侵攻のためのプランをいくつも立てさせ、思いとどまらせる。そういう効果を狙ったものだ。その意味では、一連の発言は“わざと”の可能性もなくはない。リスクのある、高度な技だと思う。