「子どもはスマホではない」親の不安感が“習い事地獄”に? 専門家が警鐘
「子どもはスマホではない」“習い事地獄”に警鐘 »

 福岡市の高島宗一郎市長は10日、経済的に苦しい世帯の子供たちを支援するため、習い事に使えるクーポンを7月から交付すると発表した。

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「経済的に厳しいご家庭に対して、子どもの習い事支援ということで、生活保護世帯、児童扶養手当の受給世帯に対して、毎月1万円分、子ども1人1万円分の電子クーポンを配布するという事業をスタートいたします」

 生まれる環境に左右されることなく子どもたちの未来や可能性に繋がる事業にしたいとし、現在、市ではクーポンが利用できる教室などの事業者を募集している。

 知識や能力の向上、学校以外の友達との関わり合いなど、子どもにとって新たな刺激となる習い事。しかし、ネット上では、ついつい色々と手を出してしまう習い事に関するエピソードもたくさん語られている。

「友達の子どもは習い事を5つやっている」「小学生の頃習い事地獄だった」

 特にコロナ禍のいま、教育や習い事をさせないことへの不安や焦りが高まっていると話すのが教育家で見守る子育て研究所・所長の小川大介さんだ。

「メニューを詰め込むように習い事をするとどうなるかというと、忙しく何かをこなしたが、本人の中に体に落とし込まれた経験や力としての蓄積に繋がらないので、やりっぱなしになって結局何か実を結んだものがない。ただ、疲れて忙しかっただけで自分というものを説明する何かを持てた実感がないという問題が起きてくる。それが、習い事地獄と表現されている。やればやるほど元気をなくしている子どもたちが存在してるわけだ」

「子どもはスマホではない」親の不安感が“習い事地獄”に? 専門家が警鐘

 習い事地獄に陥る背景には、親の自信のなさや、実は子どものことをよくわかっていないという不安感があると小川さんは指摘する。

「スマホのアプリは入れたら、スマホはどんどん便利になるが、子どもはスマホではないので、習い事を入れたらどんどんパワーアップするものではない。自分自身も苦しいこと頑張って乗り越えてきて、今があると思われている方が多いが、大事なことは、毎日の我が子が持つ素敵なところ、本人の得意なところ、本人が嬉しそうに取り組んでいること。(得意なところを)もっと伸ばしてあげるうえで、どんな環境を追加してあげるといいか。そういう観点で習い事を見てもらえると、4つも5つ持たそうという発想よりも、まず一つを大事にできるようにする。『今、目の前にいるうちの子は、既にできること、素敵なところが沢山あるんだ』と発見するアプローチをとっていただきたい」

 そもそも習い事を何のためにするのか。いったん立ち止まって子どものことをよく知ることが大事だと小川さんは話す。

「一番の根幹は、お子さん自身の自己肯定感を高めるためにある。『自分はできる、成長できるんだ』『自分自身の得意があるんだ』というものを持たせてあげることによって、日々の充実感であり、自分自身がもっと頑張っていける。そういう自己肯定感を育てることが根幹にあって、そのために少々嫌がっても続けさせてあげることで、いずれ自信にさせてあげるというアプローチと、本人が『やってみたい』『好きだ』『楽しい』という思いを持てるものに触れさせてあげることで、得意を育てていく。大きくこの『訓練型』と『本人の気持ち中心育み型』の二方面がある。判断基準として何がポイントかというと、『うちの子ってどんな子か』という今の姿をよく観察してあげること。ここを大事にしてあげてほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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