【MLB】エンゼルス10-11ブルージェイズ(5月29日・日本時間30日/アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・DH」で先発出場し、1回の第1打席に右中間へ今季10号となる先制ソロを放つと、4点を追う3回にはセンター越えに飛距離約130メートルに達する豪快な11号2ランを放った。ファンが賑わうスタンド、仲間が待つベンチは、これぞ大谷という2打席連続弾に大いに沸いたが、当の本人は1本目と2本目でベンチ内での表情ががらりと一変。チームの状況、さらには仲間のことを思ってのことのようだ。
まずは1本目。相性のいいブルージェイズ・ベリオスに追い込まれても慌てない大谷は、真ん中低めに落ちてきたカーブをうまく、かつ強く拾い上げると打球は右中間最深部のフェンスを越える先制の10号に。自身6試合・26打席ぶりとなるホームランに、いきなり球場のテンションも上がると、本人も仲のいいマーシュにカウボーイハットを被せられてにっこり。またベンチ内をハイタッチしながら歩いて行くと、一番奥にいた先発サンドバルに向けて指差し「また打ったぞ!」と、また笑顔になった。大谷はこの日を含めて日曜日の第1打席に3週連続本塁打。先発も全てサンドバルだったこともあり、うれしいジンクスが続いたと笑い合っていた。
ところがこの日のサンドバルは絶不調。試合前までは防御率が1点台と安定していたが、3回までに5安打3四球で6失点(自責5)。大谷の先制弾を活かすことができず、早々にマウンドを降りることになってしまった。
すると大谷は2-6と4点を追う3回の第2打席、無死一塁からセンターフェンスを大きく越える11号2ラン。追撃の一発を放つと、再びスタジアムが大歓声で揺れる中、大谷は淡々と、さらには少し厳しいと思えるような表情でベンチに戻ってきた。2度目となるカウボーイハットも、1度目よりはあっさりとしたリアクション。ハイタッチの列でも笑顔はなかった。そしてKOされたばかりのサンドバルのもとにたどり着くと、短い言葉をかけながらハイタッチするだけに留めた。
2本目のベンチ内での様子は、中継を見ていた日本のファンも気づいたようで「サンドバルを思って控えめに」「サンドバルへの友情ホームランだ」「サンドバルに何としても負けをつけさせない大谷」「友情のホームランだ」といったコメントが寄せられた。早々にKOされた先発投手ができることなど、味方打線が奮闘して逆転勝利を果たすことを願うくらいしかない。その気持ちが投手でもある大谷は、よくわかるのだろう。必要以上にはしゃぐことなく「きっと同点、逆転する」という強い意志を示す表情だった。
また振り返れば、昨季の終盤、大谷はチームの状態が落ち込んだ時、ホームランを放ってもあまり笑顔が見られなくなった。シーズン終了後には、チームとして勝ちを目指し、ポストシーズンまで戦い抜きたかったというコメントを出した。大谷の2発も及ばず、チームは今季ワーストの5連敗。ア・リーグ西地区では2位につけているものの、首位アストロズとの差が、どんどんと開き始めた。チーム一丸となって戦い、自分のホームランが勝利を呼び込む一発となれば、大谷もまた少年のような笑顔のままダイヤモンドを回って、ベンチに戻ってきそうだ。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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