将棋の藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)に永瀬拓矢王座(29)が挑戦するヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局は6月3日、午後6時8分に2度目の指し直し局を開始した。午前9時からの対局が千日手指し直しになると、その指し直し局も再び千日手が成立。1回目の指し直し局と同じ手順で、先後を入れ替え「角換わり」の手順へと進行した。
両者の対戦成績は藤井棋聖7勝、永瀬王座3勝のまま「2千日手」が追加された。この日3度目の初形。再び先手番となった藤井棋聖は腕組みをして開始時刻を待った。立会人の小林健二九段(65)の合図で2度目の指し直し局が開始。藤井棋聖はこの時も「初手・お茶」のルーティーンを崩さす、静かに飛車先の歩を突いた。先後を入れ替えて1回目の指し直し局と同じ手順をたどり、戦型は「角換わり」となった。
タイトル戦での2回の千日手成立は、2002年の第15期竜王戦第1局・羽生善治竜王VS阿部隆七段(肩書は当時)戦以来20年ぶりの珍事。この一局は10月23日の午前9時に対局を開始し、対局2日目の24日午後4時48分に1回目、同午後9時51分に2回目の千日手が成立した。この時は再度の指し直しをせず、11月6日に持ち時間8時間で2回目の指し直しを行った。永瀬王座は千日手が多いことで有名で、1局で2度の千日手もすでに経験済。2011年のNHK杯テレビ将棋トーナメントでも、佐藤康光九段(52)を相手に2度の千日手を成立させたことがある。“記録”更新か、再びの指し直し局で決着がつくかにも注目が集まっている。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)